個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリが週間で10.0%高、JMDC<4483>が同3.7%高、JTOWER<4485>が同5.1%高と堅調。売買代金上位ではJストリーム<4308>が大幅に上昇した。また、オープンハウス<3288>との業務提携を発表したアイリックコーポレーション<7325>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、AI inside<4488>が同4.4%安、弁護士ドットコム<6027>が同2.8%安となり、直近上場のアララ<4015>も売りに押された。また、ギフティ<4449>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同11.6%高、出前館<2484>が同13.9%高と大きく上昇。ハーモニックはジャスダック時価総額トップに浮上した。売買代金上位では不二精機<6400>が賑わい、シライ電子工業<6658>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、日本マクドナルドHD<2702>は同1.7%安と軟調で、リバーエレテック<6666>などが下落率上位に顔を出した。IPOではMITHD<4016>とジオコード<7357>がジャスダックへ、クリーマ<4017>がマザーズへそれぞれ新規上場した。MITHDが公開価格の約5.2倍となる初値を付けるなど、いずれも好調な出足だった。
来週の新興市場でも、マザーズ指数の上値は重いとみておいた方がいいだろう。主力大型株を巡る需給イベントを通過し、投資資金の一部が再び中小型株に向かうことを期待する向きもあるが、後述する12月IPOのブックビルディング(BB)が今週から本格化してくる。その参加に伴い投資資金が拘束されることなどから、需給状況の好転は期待しにくい。一方、マザーズ指数のチャート形状からは煮詰まり感が台頭してきており、短期的に大きく振らされる場面が出てくる可能性もある。
今週の物色動向を見ると、コロナ禍を受けての新たな需要や菅政権の政策への期待が高いことは窺える。とはいえ、前回の当欄でも述べたとおり、目先はJTOWERやJストリームのように上値の比較的軽い銘柄、それに出前館のように買い戻し余地の大きい銘柄など、需給面を重視した短期の値幅取り狙いの物色が中心となりそうだ。
IPO関連では、11月30日にバリオセキュア<4494>が東証2部へ新規上場する。情報セキュリティ関連に位置付けられるが、ファンドの売出規模の大きさがネックとなりそうだ。なお、今週もクリングルファーマ<4884>(12月28日、マザーズ)など2社の新規上場が発表され、12月IPOは26社となった。今週からビーイングHD<9145>(12月15日)を皮切りに順次BB期間に入っている。
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