日経平均は大幅続落、2カ月ぶりの円高水準を嫌気した展開に
19日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は71.25ドル高の44627.59ドル、ナスダックは14.99ポイント高の20056.25で取引を終了した。住宅着工件数が予想を下回り、景気減速懸念に寄り付き後、下落。連邦準備制度理事会(FRB)が公表する連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を警戒し、長期金利上昇に連れ、軟調推移が続いた。終盤にかけFRBが公表した1月開催分のFOMC議事要旨では利下げを急がない方針が再確認されると同時に債務上限問題が解決するまで、バランスシートのランオフ減速などを検討していたことが明らかになり金利が低下すると、買いが強まり、相場は上昇に転じ終了。S&P500種指数は連日で過去最高値を更新した。
米国株は堅調推移だったものの、為替が1ドル150円台と昨年12月以来の水準まで円高ドル安が進行したことで、東京市場は売り優勢で取引を開始。日経平均は39000円を割り込んでスタートした後はじりじりと下げ幅を広げ、下落幅は一時600円超まで拡大する場面が見られた。取引時間中としては2月3日以来の水準まで下落するなど売り圧力の強い地合いとなった。
日経平均採用銘柄では、トランプ関税のほか円高ドル安進行が売り材料視されて、日野自動車<7205>、SUBARU<7270>、日産自動車<7201>など自動車株の一角が売り優勢となったほか、スクリーンHD<7735>、東京エレクトロン<8035>など半導体株も弱い。また、清水建設<1803>、大林組<1802>、鹿島建設<1812>など建設株もさえない。このほか、横浜ゴム<5101>、野村総合研究所<4307>、日本電気<6701>、レゾナック<4004>、ニトリHD<9843>などが下落した。
一方、証券会社のポジティブなレポートを材料にJR西<9021>が買われたほか、JR東海<9022>、JR東<9020>もつれ高となった。また、円高推移を材料にニチレイ<2871>も上昇。このほか、TOTO<5332>、資生堂<4911>、花王<4452>、オムロン<6645>、明治ホールディングス<2269>などが買われた。
業種別は、輸送用機器、保険、銀行、その他製品、建設などが下落した一方、鉱業、電気・ガス、石油・石炭、空運の4セクターのみ上昇した。
為替は日米金利差の縮小傾向が今後強まるとの見方から円高ドル安が進行しているもよう。昨日の高田創日本銀行審議委員の発言を見る限り、日銀は追加利上げに対する方針を変えていないことから、明日の日本の1月消費者物価指数の結果次第では、日銀による追加利上げに対する思惑も強まりそうだ。後場の東京市場は、消費者物価指数への警戒感が意識されて、日経平均は一段安となる可能性もあろう。引き続き為替の動向を睨んだ展開に。
<AK>
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