その他、「政府は10月をめどに新型コロナウイルスの水際対策を緩和し、感染拡大前の状況に近づける」と伝わったことで、インバウンド(訪日外国人旅行者)の回復への期待感も支援要因になった。しかし、3連休を控えているうえ、20日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの見方も多く、積極的に買い上がる雰囲気にはならず、こう着感の強い相場展開のなか、出来高は7営業日ぶりに9億株をり込むなど薄商いだった。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が960と、全体の約過半数を占めた。セクター別では、空運、不動産、陸運、鉱業、その他製品など19業種が上昇。一方、鉄鋼、精密機器、非鉄金属、倉庫運輸、パルプ紙など14業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、資生堂<4911>、任天堂<7974>がしっかりだった半面、テルモ<4543>、オリンパス<7733>、アドバンテス<6857>、電通グループ<4324>、日東電工<6988>が軟化した。
前日の米国市場は、消費者物価指数(CPI)ショックの反動や同日発表の卸売物価指数(PPI)が前年同月比8.7%上昇となり、市場予想(8.8%上昇)をわずかに下回ったことが支えとなり、主要株価指数は小幅に反発した。これを受け、東京市場も買い戻しの動きが先行。主力株中心に値を上げる銘柄が増加した。また、経済活動の正常化期待からJAL<9201>、ANA<9202>がともに年初来高値を更新するなど、旅行関連株にも引き続き投資資金がシフトした。このほか、新作ゲームソフトへの期待感から任天堂が堅調。
日経平均はひとまず反発したとはいえ、前日の下げの反動としては戻りが鈍い。20日からのFOMCの結果が気がかりで積極的に売り買いを一方向に傾けづらい格好となっている。また、米国では15日、9月のニューヨーク連銀製造業景気指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、8月小売売上高などの経済指標が発表される予定で、これまでの利上げの影響によりネガティブな影響が出ているのかどうか確認したいとの声が多い。このため、目先は個別材料株物色で幕間つなぎの動きが続きそうだ。
<FA>
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