16日の米国市場でNYダウは396ドル高と大幅反発した。中国の王受文商務次官が8月下旬に訪米して事務レベル協議に臨むと中国商務省が発表し、両国の貿易協議が再開されるとの期待が高まった。東京市場では前日に伝わっていた内容だが、本日もNYダウの大幅上昇を好感した買いが先行し、日経平均は121円高からスタートした。寄り付き後は一時22340.95円(148.91円高)まで上昇したが、中国株の動向を見極めたいとの思惑などから伸び悩む場面も見られた。しかし、中国・上海総合指数の反発スタートを受けて堅調に推移した。
個別では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、ソニー<6758>などがしっかり。トヨタ自は中国の生産能力を2割増強するなどと報じられている。米国市場で長期金利の上昇を受けて金融株が買われた流れを引き継ぎ、三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>、三井住友<8316>といった銀行株も堅調だった。前日に伊藤忠<8001>による株式公開買付け(TOB)期間が終了したユニファミマ<8028>だが、本日は買い戻しが広がり4%近い上昇となった。一方、ファーストリテ<9983>、スズキ<7269>、東エレク<8035>、武田薬<4502>などがさえない。東エレクは米同業の市場予想を下回る業績見通しが嫌気されたようだ。
セクターでは、海運業、鉱業、保険業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。電気・ガス業など4業種が下落した。
前日に安値から300円以上の戻りを見せた日経平均は、米NYダウの大幅上昇を支援材料として反発した。しかし、寄り付き後は上値追いの動きが鈍く、上下の値幅も100円弱とややこう着感の強い展開となっている。日足チャートでは200日移動平均線が上値抵抗として意識されており、同線の位置する22400円に迫る場面では売りが出やすいだろう。週末要因に加え、円安が一服していることや上海総合指数が朝高後に伸び悩んでいることから買い手掛かりにも乏しい。後場は模様眺めムードが強まりそうだ。
新興市場ではマザーズ指数が1.3%高で前場を折り返し、比較的強い動きを見せている。
前日には一時932.07ptと2016年12月以来の安値水準を付けていたが、週末を前に売り方の買い戻しが入っているものと考えられる。また、新規高レーティングが観測されたヘリオス<4593>などのバイオ株が買われていることも指数の押し上げに寄与しているだろう。ジェネパ<3195>やイード<6038>はリリースを材料にストップ高を付けており、値動きの軽い小型材料株の物色は活発となっている。
(小林大純)
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