東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数1300を超え、全体の8割を占めた。セクター別では、海運を除く32業種が上昇。保険、石油石炭、倉庫運輸、非鉄金属、輸送用機器の上昇が目立った。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、花王<4452>、OLC<4661>、エムスリー<2413>、第一三共<4568>が軟化した。
前週末の米国市場は弱含んだが、注目の雇用統計の結果を受けて、為替市場ではドル買いが優勢となり、一時1ドル=157円台まで円安が進んだ。また、米国の利下げ観測後退から長期金利が上昇しているほか、国内では日銀による国債買い入れ減額への思惑もあり、国内長期金利が再び1%台に乗せるなど、日米の長期金利が上昇傾向にあることも材料視され、金融などバリュー株にも投資資金がシフトした。
もっとも、売買代金は約3兆3195億円と今年最低水準となるなど閑散な相場展開だった。今週は11日から米連邦公開市場委員会(FOMC)、13日からの日銀金融政策決定会合を控えているだけに、積極的にポジションを傾けたというよりは、リバランスの動きが中心と考えられる。また、今週末は6月限の先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えており、限月交代に伴うロールオーバーが中心となる。短期筋の思惑で値幅が大きくなる可能性はあるものの、その後のカバーも速いだろう。日経平均は心理的な抵抗となる75日線を捉えてきた。この水準を上抜けてくると、ショートカバーが強まりそうだ。
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