個別では、東証グロース市場の時価総額上位銘柄であるメルカリ<4385>が週間で7.3%安、フリー<4478>が同3.2%安と軟調。前の週に大幅高となったJTOWER<4485>も上げ一服で同1.7%安となった。売買代金上位ではエッジテクノロジー<4268>やFRONTEO<2158>が大きく下落。エッジテクノロジーは3月後半に急騰しており、信用取引規制が強化された。また、ヘリオス<4593>は開発薬の承認申請の遅れが嫌気され、週間の東証グロース市場の下落率トップ。戻り一服感が漂ったTHECOO<4255>なども下落率上位に顔を出した。一方、ビジョナル<4194>は同1.5%高と堅調で、国内外証券が強気の投資判断を維持したウェルスナビ<7342>は同8.1%高。売買代金上位では前の週に上場したばかりのギックス<9219>のほか、HENNGE<4475>などが買われた。また、デリバリープラットフォーム一元管理システムの提供を開始したピアズ<7066>は1週間で約2.1倍に急騰。売り長の信用需給が意識されたベガコーポレーション<3542>なども週間の東証グロース市場の上昇率に顔を出した。IPOでは2社が登場したが、このうち東証グロース上場のセカンドサイトアナリティカ<5028>は2日目に入り公開価格の約2.3倍となる初値を付けた。
来週の新興市場では、早くも株価トレンドが悪化方向に傾くことを想定しておく必要がありそうだ。今週末の米国市場でも金利水準が一段と上昇するとともに、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数が1%超下落した。将来収益に基づき株価形成される新興グロース株にとって、長期の年限を中心とした金利の上昇は逆風となるだろう。世界的な物価高や金融当局の要人のタカ派的な発言が相次ぎ伝わっており、金利の上昇圧力は弱まりそうにない。日本でも今週後半から東証グロース市場の売買代金が減少しだしており、米金利上昇に個人投資家が警戒感を強めていることが窺える。
来週は、4月13日にチームスピリット<4397>、アイドマ・HD<7373>、14日にティーケーピー<3479>、UUUM<3990>、ココナラ<4176>、ビザスク<4490>、グッドパッチ<7351>、Enjin<7370>などが決算発表を予定している。ココナラは今週末、外資系証券による強気の投資判断が観測されて株価急伸した。昨年上場組で成長期待の高いアイドマ・HDやEnjinも逆風を打ち返す好決算となるか注目したい。
IPO関連では、4月12日にサークレイス<5029>が東証グロースへ新規上場する。クラウドシステムの導入運用支援等を手掛け、公開規模も小さい。セカンドサイトに続き初値の大幅な上昇が期待されているようだ。なお、25日上場予定だったインフォメティスは中止を発表している。
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