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2020/04/21 - 野村総研(4307) の関連ニュース。―コロナ禍のなか相次ぐ発表延期、業態による好不調の格差鮮明に― 3月期企業の決算発表シーズンが、今週末から本格化する。大手電機企業などの決算を皮切りにゴールデンウイークを経て、5月中旬まで集中的に決算発表が行われるのが、通常の姿だ。しかし、今年は状況が大きく異なる。 新型コロナウイルスの影響で決算発表の延期が続出しており、通期業績予想も「未定」とする企業が相次ぎそうな状況だ。コロナ禍の非常事態の下での発表となる今回の決算のポイントをまとめてみた。●東証は決算発表の規制を緩和、日電産やコマツなど決算発表を延期 例年なら3月期企業の春の通期決算発表は

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非常事態下の「3月期決算」、いま押さえておくべき要注目ポイントは <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2020/04/21 19:30

―コロナ禍のなか相次ぐ発表延期、業態による好不調の格差鮮明に―

 3月期企業の決算発表シーズンが、今週末から本格化する。大手電機企業などの決算を皮切りにゴールデンウイークを経て、5月中旬まで集中的に決算発表が行われるのが、通常の姿だ。しかし、今年は状況が大きく異なる。 新型コロナウイルスの影響で決算発表の延期が続出しており、通期業績予想も「未定」とする企業が相次ぎそうな状況だ。コロナ禍の非常事態の下での発表となる今回の決算のポイントをまとめてみた。

●東証は決算発表の規制を緩和、日電産やコマツなど決算発表を延期

 例年なら3月期企業の春の通期決算発表は、4月下旬に始まり、5月中旬に終わる。これは、東京証券取引所は「決算期末から45日以内」に決算開示するように求めているためだ。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮し東証は、例外的に決算の開示の延期を認める方針を示した。これを受け、決算発表の延期を公表する企業が相次いでいる。日本電産 <6594>コマツ <6301> 、ソニー <6758> といった大手企業も当初予定に比べ決算発表を遅らせることを発表している。このため、今年は5月下旬も多くの企業の決算が行われ、場合によっては6月にずれ込む企業が出てくる可能性もある。

 また、前20年3月期の業績は、企業の業態により状況は異なるものの、第4四半期(1-3月)が新型コロナウイルスの影響を受ける。更に21年3月期はその影響の直撃を受けることになるため、厳しい決算となることは間違いがない。

●CEOによる今期業績予想へのガイダンスが重要に

 そのなかでも、「相場へのインパクトが大きい」(アナリスト)とみられているのが、21年3月期予想をどう開示するかだ。既に決算発表を終えた2月期企業の場合では、(1)安川電機 <6506> のように第1四半期(3-5月)の予想は出したが、21年2月通期は非開示とした企業、(2)高島屋 <8233> のように21年2月通期見通しは非開示とした企業、(3)イオン <8267> のように営業収益と営業利益をレンジの形だが、21年2月期の業績予想を出してきた企業――という格好に分かれた。

 市場には、「大幅減益でも業績予想を出してくるだけでも前向きに評価できる」(ネット証券情報担当者)との見方もある。ただ、実際の市場の反応としては「その時の株価水準と最高経営責任者(CEO)がガイダンスとして、今期の見方をどう説明するかによるだろう」(アナリスト)との声が少なくない。

●IT関連や5G関連銘柄には堅調な決算を期待

 市場には、前期と今期の大幅な業績悪化は3月にかけての株価急落で、大分織り込んだとの見方も出ている。もっとも、テレワーク関連や巣ごもり関連株として株価が上昇した企業の場合、決算が伸び悩んだ内容となれば売られる可能性がある。その一方、低位に売り込まれたままの企業の場合、状況次第では決算発表で悪材料出尽くしの反応となることもあり得そうだ。とりわけ、今期業績はその業態によりコロナ禍での影響を受けやすいか、受けにくいかで明暗が鮮明になるとみられている。

 市場で、堅調な業績が期待されているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)絡みの需要が期待できるIT関連企業や5G関連企業だ。IT関連では28日に決算発表を予定している富士通 <6702>野村総合研究所 <4307> などが注目される。DX絡みのIT関連企業は、好業績を材料に高値圏で推移していたが、コロナショックを機に株価は急落しただけに、決算発表で再度、上昇基調を取り戻せるかが関心を集めている。また、 5G関連では27日のアンリツ <6754> や5月12日のNEC <6701> などへの関心が高い。

●半導体関連には底堅い決算も、アドテストなど要注目

 半導体関連企業も注目されている。足もとではデータセンターや5G関連、パソコン向けなどにも需要は拡大しているとみられる。今月16日に発表された台湾積体電路製造(TSMC)の1~3月期決算は好調だったことから日本の半導体関連銘柄も堅調な業績が期待されている。なかでも24日に発表されるアドバンテスト <6857> の決算に対する注目度は高い。同様に、23日のディスコ <6146> や27日のイビデン <4062> 、30日の東京エレクトロン <8035> などが注目される。また、電子部品では30日に村田製作所 <6981> が決算を予定している。

●空運など業績悪化は織り込み済みか、ソニーが東京株式市場を左右も

 一方、厳しい決算が予想されるのはANAホールディングス <9202> のような空運関連や三越伊勢丹ホールディングス <3099> のようなインバウンド関連銘柄だ。ただ、ANAHDが20日に20年3月期の業績予想を下方修正しても、株価の反応は限定的だったように、業績悪化はある程度は織り込まれているとみられている。ソフトバンクグループ <9984> は5月18日に決算を予定しているが、今月13日に20年3月期の最終赤字転落を発表したことで、いったんは出尽くし感が出たとみられている。製造業での関心は、5月12日に決算を発表するトヨタ自動車 <7203> だ。世界的な自動車需要の減少やサプライチェーンの乱れが業績にどんな影響を与えるかが焦点となっている。

 更に、4月下旬から5月13日に決算発表を延期したソニーへの注目度は大きい。イメージセンサー(画像用半導体)は底堅い需要が見込めるうえに、「プレイステーション(PS)4」などゲーム機は巣ごもり需要が期待される。映画部門などが不透明だが、ソニーの決算内容が順調なら日本株全体への海外投資家の評価が上がることもあり得るだろう。


◆◆主な注目企業の決算予定日◆◆
4月 23日  オムロン、ディスコ
  24日  アドバンテスト、ファナック、航空電子
  27日  アンリツ、日東電工、イビデン、京セラ
  28日  富士通、野村総研、ANA
  30日  村田製作、日本電産、東エレク
5月 1日  三井物産
   7日  丸紅、三越伊勢丹
   8日  野村、住友鉱
  11日  三菱重、ブリヂストン
  12日  トヨタ自動車、国際石開帝石、NEC
  13日  ソニー、大成建、武田
  14日  鹿島、寿スピリッツ
  15日  TDK、東電、三菱UFJ
  18日  ソフトバンクグループ、コマツ、パナソニック
  19日  古河電、UACJ
  20日  東京海上、SOMPO
  21日  オリックス
  22日  アシックス
  25日  味の素
  27日  リクルート、ツガミ
  28日  ヒロセ電
  29日  オリンパス
(注)予定は変更になることがあります。  

株探ニュース
配信元: 株探

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