17日の米株式市場でNYダウは反落し、28ドル安となった。決算を受けた個別物色中心の相場展開となったが、工業製品・事務用品のスリーエムに決算を嫌気した売りが出て、NYダウを下押しした。一方でラムリサーチなどの半導体関連株やマイクロソフトが買われ、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続伸。東京市場でも半導体関連株などに買いが先行し、日経平均は2円高からスタートすると、朝方に一時22819.92円(69.32円高)まで上昇し取引時間中の年初来高値を更新した。しかし、連日の年初来高値更新により上値では利益確定の売りも出た。東証1部の値下がり銘柄、値上がり銘柄ともに全体の4割強の水準となっている。
個別では、任天堂<7974>が2%超下落したほか、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、村田製<6981>、ファーストリテ<9983>などが軟調。ソフトバンクGは傘下の投資ファンドで保有株の評価切り下げを計画しているなどと報じられ、株式分割考慮後でおよそ9カ月ぶりの安値を付けた。米工場の火災事故に関する和解金計上を発表したクラレ<3405>は急落し、レッグス<4286>などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。
一方、エーザイ<4523>が売買代金トップで8%高。アルツハイマー病治療薬への期待が続くが、3日ぶりに取引時間中に売買成立した。第2四半期決算が市場予想を上回ったディスコ<6146>は急伸し、サイバネット<4312>などとともに東証1部上昇率上位にランクイン。東エレク<8035>やSUMCO<3436>といった他の半導体関連株に買いが波及し、決算発表銘柄ではMRO<3064>や中外薬<4519>の上げも目立った。セクターでは、その他製品、証券、パルプ・紙などが下落率上位。反面、医薬品、精密機器、水産・農林業などが上昇率上位だった。
米国のラムリサーチに加え国内ではディスコなどと、半導体関連企業の業績底打ち期待をつなぐ決算が相次ぎ、日経平均は連日で取引時間中の年初来高値を更新した。
ディスコは台湾の半導体後工程請負(OSAT)の投資再開を示唆したといい、改善の兆しと前向きに受け止められている。但し、ラムリサーチはメモリ関連の投資再開時期についてやや慎重な見方を示したもようで、かねて指摘しているとおり向け先によって今後の見通しは強弱分かれている。
来週は主要企業の決算発表が第1のピークを迎えるとともに、日米で金融政策決定会合が予定されている。週末を前に目先の利益を確定する売りが出るとともに、模様眺めムードになりやすいと考えられ、後場の日経平均は前日終値を挟んだ子動きになると見ておきたい。なお、本日はエムスリー<2413>、信越化<4063>、NRI<4307>などが発表を予定している。
(小林大純)
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