■株式見通し:商いが細るなかで大きなトレンドは出にくい
■ファーストリテ、今期最終益1900億円に上方修正、コンセンサスに一致
■前場の注目材料:日本ガイシ、オークマとベリ銅製金型を長寿命化、GFRPなど効率成形
■商いが細るなかで大きなトレンドは出にくい
15日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、こう着の強い相場展開になりそうだ。14日の米国市場はNYダウが113ドル安だった。ゴールドマン・サックスやシティグループ、モルガン・スタンレーなどの決算が評価されNYダウは一時300ドルを超える上昇を見せた。ただし、NY連銀のウィリアムズ総裁が5月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%の利上げが理にかなった選択とするなど、利上げ加速を支持する姿勢を見せたため改めて金利の先高観が警戒され下落に転じた。金利が一段と上昇しハイテク株も売られ、引けにかけ下げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比275円安の26915円。円相場は1ドル125円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。ただし、日経平均は前日までの強いリバウンドで27000円を回復し、75日線水準を捉えていたこともあり、自律反発としては一巡感も意識されやすいところである。米国についてもNYダウは75日線までのリバウンドを見せた後に下げに転じていることから、自律反発の範囲内といったところ。また、米国はグッドフライデーの3連休前だったことからポジション調整の動きもあったと考えられる。
もっとも月曜日はイースターマンデーで欧州市場は休場となることから、海外勢のフローは限られる。昨日の東証プライムの売買高は10億株程度と薄商いだったこともあり、より商いが細るなかで大きなトレンドは出にくいだろう。短期的にはインデックスに絡んだ商いに振らされやすいものの、オーバーウィークのポジションは取りづらいことから、その後のカバーの動きも速そうだ。また、積極的なロングの動きから上昇したというよりは裁定に絡んだ動きだったため、大きくロングに傾いているわけではなく、売り一巡後は底堅さも意識されよう。
海外勢のフローが限られるなか、物色は個人主体の中小型株に向かいやすい。また、決算を手掛かりとした個別対応にもなりそうだ。昨夕決算を発表したところでは、4℃ HD<8008>、Gunosy<6047>、JMACS<5817>、串カツ田中<3547>、ティアンドエス<4055>、ディップ<2379>などが注目される。なお、ナスダックの下落影響により指数インパクトの大きい値がさ株は日経平均の重荷となる可能性はあるものの、ファーストリテ<9983>がADR市場で強い動きを見せていたこともあり、下支えとして意識されよう。
■ファーストリテ、今期最終益1900億円に上方修正、コンセンサスに一致
ファーストリテ<9983>は2022年8月期の純利益を前期比11.9%増の1900億円(従来予想1750億円)に上方修正した。コンセンサス(1900億円程度)にほぼ一致した。為替市場で円安が急速に進んでいるなか、外貨建て資産など金融収益の増加を織り込んだ。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(27172.00、+328.51)
・1ドル=125.90-00円
・米原油先物は上昇(106.95、+2.70)
・米国景気の拡大
・コロナ流行下の経済活動正常化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・日本ガイシ<5333>オークマとベリ銅製金型を長寿命化、GFRPなど効率成形
・ダイセル<4202>無機・有機物複合で新材料、100億円事業創出
・日揮HD<1963>川崎汽船とFLNG新方式確立、中古タンクでコスト減
・ブラザー工業<6448>印に工作機械保守・マーケティングの新会社
・デンカ<4061>新潟・鏡田工場に戦略投資110億円、抗原検査キット2.5倍
・双日<2768>JU岐阜羽島と提携、中古車オークションサービス共同開発
・GSユアサ<6674>英に鉛蓄電池配送センター、現地販売1.5倍に
・日産自<7201>EVレースチームを買収、新車開発にノウハウ活用
・フジクラ<5803>センサー増産、収益多様化へ試金石
・東洋紡<3101>神経再生誘導チューブ能力3倍、25年めど、国内外で需要拡大
☆前場のイベントスケジュール
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