今週の新興市場は反発。同時期の騰落率は、日経平均が+2.34%だったのに対して、グロース市場指数は+0.95%、グロース市場250指数は+0.92%と日経平均よりも小幅な反発に留まった。週初は半導体関連銘柄を中心に米ハイテク株が弱い動きとなったことから、プライム市場の半導体株を中心に利益確定売りが先行。投資家心理が悪化したことで、グロース市場は年初来安値を更新する銘柄の投げ売りが目立った。押し目を狙うような積極的な投資家は不在となったことから、グロース市場の売買代金は5営業日連続で1000億円を下回った。週末にかけては米ハイテク株上昇などを材料に自律反発的な買いが入ったことから、グロース市場指数、グロース市場250指数ともに週間ベースでは反発となったが、週を通してエネルギー不足の地合いとなった。
個別銘柄では、東京都世田谷区による顔認証勤怠システム「AIZE」の採用や、グループ会社のゼロフィールドが業務提携先と連携を進め、米国にデータセンターを増設などと発表したトリプルアイズ<5026>が急騰。L is B<145A>は、横井社長CEOが投資家向けチャンネルで「黒字維持しながら成長」と強調したことで買われた。リンカーズ<5131>がオンデック<7360>と業務提携し、M&A支援、プラットフォーム開発、ビジネスマッチングの3領域で相互に協力すると発表し買われた。一方、決算が嫌気されてシーユーシー<9158>が上場来安値を更新したほか、ティーケーピー<3479>、カバー<5253>、トライト<9164>など主力銘柄も総じて売られた。
なお、4月24日にグロースへ上場したレジル<176A>の初値は公開価格を0.4%上回る1205円、25日に同じくグロースへ上場したコージンバイオ<177A>の初値は公開価格を6.8%上回る2030円となった。その後、レジルは初値を上回って推移したが、コージンバイオは週末に急落して初値を下回った。
■再来週は主力処の決算発表が多数予定、IPOは空白期間入り
来週から再来週にかけての新興市場は、プライム市場同様、決算発表銘柄中心の地合いとなりそうだ。好決算銘柄が素直に買われる地合いとなれば、グロース市場指数やグロース市場250指数も堅調推移となりそうだが、今週材料が出たQPS研究所<5595>ですら買いが続かなったことから、投資家心理を刺激する核となる銘柄が出るかは微妙なところだ。
再来週は9日にサンウェルズ<9229>、BASE<4477>、10日に弁護士ドットコム<6027>、GMOフィナンシャルゲート<4051>とグロース市場Core指数構成銘柄など主力処の決算発表が予定されている。今週は主力処も週間騰落率ランキング値下がり上位に複数社が名を連ねる厳しい状況だった。投資家心理が悪化していることで物色意欲は弱く、売買代金は細っている。足元の地合いを考慮すると、グロース市場全体の底入れを試すのはまだ先と考える。まずは、決算発表前後の主力株で戻りを試す銘柄が現れるかを確認したい。なお、新規株式公開(IPO)は、5月28日上場予定の学びエイド<184A>登場まで空白期間となる。
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