個別では、メルカリ<4385>が週間で4.2%高、フリー<4478>が同7.3%高となるなど、マザーズ時価総額上位は全般堅調だった。売買代金上位ではBASE<4477>が小幅上昇ながら、高値圏キープでしっかりした動き。新型コロナウイルスのワクチン開発に着手したオンコセラピー・サイエンス<4564>や、提携が材料視されたミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>は大きく上昇した。また、イオレ<2334>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、直近上場のトヨクモ<4058>は換金売りがかさみ、決算を受けて売られたフィードフォース<7068>とともに下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力では、ワークマン<7564>が9月の既存店増収率の鈍化を受けて同5.2%安。ただ、ハーモニック・ドライブ・システム<6324>は同3.3%高となるなど高安まちまちで、出前館<2484>は同24.5%高と大きく上昇した。また、週間のジャスダック上昇率上位には直近上場のまぐまぐ<4059>、下落率上位にはエブレン<6599>などが顔を出した。IPOでは4社がマザーズへ新規上場し、いずれも初値好調。ヘッドウォータース<4011>に至っては公開価格の11.9倍と、現行制度下で最高の上昇率を記録した。10月2日上場のタスキ<2987>は初値持ち越しとなっている。
来週の新興市場では、マザーズ指数の堅調推移が続きそうだ。直近IPO銘柄を中心に値動きの荒さもやや目立つが、個人投資家は資金回転が利き需給良好とみられる。また、コロナ禍に新政権の発足も加わり、ここにきて「ニューエコノミー」台頭への期待が一段と高まっている印象。米政治情勢を巡る不透明感もあって、引き続き個人投資家の物色は主力大型株より新興株に向かいやすいだろう。
楽天<4755>は携帯電話事業への参入や「Go To キャンペーン」の恩恵などで政策期待が高まっているが、その楽天の三木谷浩史会長兼社長が代表理事を務める経済団体「新経済連盟」も脚光を浴びつつあるようだ。新経連にはクラウドワークス<3900>やフリー、出前館など新興市場上場企業も多く参加しており、政策提言などで今後影響を強める可能性がある。なお、来週は10月8日にドーン<2303>、9日にブロッコリー<2706>、エクスモーション<4394>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、10月5日にダイレクトマーケティングミックス<7354>が東証1部へ新規上場する。「ダイレクトマーケティング」を軸とした事業を展開し、足元の業績は堅調。ただ、公開規模が200億円を超えるため、初値の大きな伸びは期待しにくいだろう。なお、キオクシアHDは6日に予定していた上場を延期。また、今週はRetty<7356>(10月30日、マザーズ)の新規上場が発表されている。
<FA>
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