日経平均は反発、一時マイナス圏に転落で上値の重い展開続く
先週末6日の米国市場のダウ平均は123.19ドル安の44642.52ドル、ナスダックは159.05pt高の19859.77ptで取引を終了した。雇用統計を受けて12月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ期待が高まり、寄り付き後、上昇。その後、数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げに慎重な姿勢を示したため、利下げペース減速の思惑が強まり、相場は伸び悩んだ。ダウは終日軟調に推移したものの、ナスダックは早期利下げ期待が支援し終日堅調に推移し、連日で過去最高値を更新した。
米株市場を横目に、本日の日経平均は前週末比241.38円高の39332.55円と反発でスタート。シカゴ先物にサヤ寄せする形から買いが先行したが、買い一巡後は戻り待ちや利益確定の売りに押され、一時マイナス圏に転落。ただ、その後は買い戻しも向ってプラス圏に再浮上する展開となった。前週末に値がさ半導体関連株に物色が集まっていたため、本日は半導体関連に短期的な過熱感を意識した売りが出やすかった。
個別では、ソフトバンクグループ<9984>、IHI<7013>、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、ソニーグループ<6758>などが上昇した。ほか、株主優待を好材料視された楽天グループ<4755>が急騰、エラン<6099>、セレス<3696>、丸一鋼管<5463>などが値上がり率上位となった。
一方、ディスコ<6146>や東エレク<8035>などの一部の半導体関連株、三菱重工業<
7011>や川崎重工業<7012>などの防衛関連株が軟調に推移。また、三菱UFJ<8306>や日立<6501>、関西電力<9503>、三菱商事<8058>などが下落となった。上半期営業益は計画比下振れ着地となったアインHD<9627>や第1四半期順調決算だが出尽くし感が先行した日本駐車場開発<2353>が急落。ほか、日本マイクロニクス<6871>、エターナルG<3193>、シンフォニアテクノロジー<6507>などが値下がり率上位となった。
業種別では、サービス業、空運業、情報・通信業が上昇した一方で、鉱業、石油・石炭製品、保険業などが下落した。
後場の日経平均株価は、積極的に買い上げるほどの材料は乏しく、上値の重い展開が続きそうだ。18-19日の日本銀行による金融政策決定会合での利上げ実施観測は、11月末の植田和男日銀総裁の発言時点よりは下がっているが、今週発表される第3四半期実質GDP(二次速報値)などの経済データ次第で再燃する余地は十分ある。また、日銀会合前の17-18日にFOMCが開催されることから、11月の米消費者物価指数など米経済指標への関心も高まろう。今週は日米中銀会合への思惑でドル・円が上下に振れる展開を想定しておきたく、自動車など輸出関連銘柄や円高メリット銘柄などが上昇・下落ランキングの上位に顔を出しそうだ。
<AK>
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