日経平均は大幅続伸、前週末の米株高受けて投資家心理改善
6日の米国市場でダウ平均は443.13ドル高の42762.87ドル、ナスダックは231.50ポイント高の19529.95で取引を終了。雇用統計で雇用の伸びが減速するも予想を上回ったため景気への悲観的見方が後退した。また、テスラの反発やトランプ大統領が米中通商交渉再開を発表すると、投資家心理改善で終日堅調に推移し終了した。
米株式市場の動向を横目に、9日の日経平均は前営業日比287.10円高の38028.71円と続伸でスタート。5回目の日米関税協議については議論進展とする一方、「一致点は見いだせていない」と赤沢経財相が語っている。ただ、米中の閣僚級通商協議がロンドンで9日に開催されると伝わっており、米中貿易摩擦が和らぐとの期待感が浮上している他、為替市場で円安・ドル高基調で推移したこと、無事に米雇用統計を通過したことも安心感に繋がっているようだ。
個別では、レーザーテック<6920>やディスコ<6146>など一部の半導体関連株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株が堅調に推移。また、任天堂<7974>、ソニーグループ<6758>、ソフトバンクグループ<9984>、ファーストリテ<9983>、川崎重工業<7012>、サンリオ<8136>などが上昇した。そのほか、5月既存店好調や決算受けたあく抜け感が広がったエターナルホスピタリティグループ<3193>が大幅高、エイチーム<3662>、大塚ホールディングス<4578>、ブレインパッド<3655>などが値上がり率上位となった。
一方、三菱商事<8058>、三菱重工業<7011>、IHI<7013>、メルカリ<4385>、トヨタ自動車<7203>、良品計画<7453>などが下落した。ほか、好決算発表も出尽くし感が強まる展開となったカナモト<9678>が急落、井関農機<6310>、三和ホールディングス<5929>、マーケットエンタープライズ<3135>などが値下がり率上位となった。
業種別では、医薬品、電気機器、サービス業が上昇した一方で、金属製品、パルプ・紙、鉄鋼が下落した。
後場の日経平均はプラス圏で堅調に推移しそうだ。前週末の米雇用統計の結果を受けて米景気減速懸念が和らいで投資家心理にポジティブに働いた。また、アジア市況では、香港ハンセン指数や上海総合指数など週明けのアジア指数が総じて上昇しており、投資家心理を下支えしている可能性もある。そのほか、月末にかけては株主総会の集中日を迎えるが、企業側も株高をより意識するタイミングとみられ、ポジティブ材料の出現も期待しやすい局面であるといえる。本日もポジティブな個別材料が出た銘柄へ物色が活発している印象があるが、株主総会の接近を思惑視した物色などに注目しておきたい。
<AK>
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