東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1200を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、電力ガス、不動産、小売、陸運など24業種が上昇した。一方、電気機器、卸売、鉱業、輸送用機器など7業種が下落し、その他金融、建設が変わらずだった。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、バンナムHD<7832>、KDDI<9433>、キーエンス<6861>が軟化した。
前日の米国市場は、ジャクソンホール会合を通過した安心感から買いが先行したほか、長期金利の上昇が一服したことも支援材料となり、主要3株価指数は上昇した。東京市場もこの流れを背景に値がさハイテク株を中心に値を上げる銘柄が目立った。また、1ドル=146円台と円安傾向にあることも輸出関連株買いを後押しする要因となり、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。ただ、午前10時すぎに、「トヨタがシステムの不具合から国内の全工場が稼働停止」と伝わると、トヨタ株がマイナスに転じたほか、デンソー<6902>や豊田通商<8015>、トヨタ紡織<3116>といった部品メーカーの株価にも悪影響を及ぼし、投資マインドを萎縮させた。
東京市場は25日線水準での攻防を見せており、早晩に同水準をクリアし、心理的な節目である32500円処を突破できないと、上値の重さが一段と意識される展開が想定されるだろう。米国では29日、7月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数や8月のコンファレンスボードによる消費者信頼感指数の発表が予定されている。いずれも前月からやや鈍化すると見込まれているが、予想に反して強い結果となれば、米国の利上げ長期化懸念が再燃する可能性もあることから、米国市場の動きには注意が必要だろう。
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