個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で2.5%高。前回の当欄で取り上げたJMDC<4483>は同5.1%高、JTOWER<4485>は同13.6%高となった。売買代金上位では業績上方修正のすららネット<3998>のほか、Enjin<7370>などが大幅高。また、HENNGE<4475>が製品連携のリリースなどを手掛かりに強いリバウンドを見せ、週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、フリー<4478>が同1.9%安とやや軟調で、プレミアアンチエイジング<4934>も小幅に下げた。また、前の週に上場したフューチャーリンクネットワーク<9241>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力では東映アニメーション<4816>が同12.3%高。親子上場を巡る思惑が一段と強まったようで、上場来高値を更新した。売買代金上位ではフェローテックHD<6890>や出前館<2484>が買い優勢。また、太洋物産<9941>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、日本マクドナルドHD<2702>が同0.6%安、ワークマン<7564>が同0.7%安と伸び悩み。また、8月半ばにかけて急騰していたプロルート丸光<8256>などが下落率上位に顔を出した。IPOは初値軟調で、タンゴヤ<7126>が公開価格を6.4%上回るにとどまったほか、ジェイフロンティア<2934>に至っては公開価格割れスタートとなった。
来週の新興市場では、買いが先行する展開となりそうだ。注目のジャクソンホール会議後の米市場反応は、期待インフレ率の指標が上昇する一方で10年物国債利回りが低下。ナスダック総合指数が再び最高値を更新したように、ハイテク株の追い風として受け止められるだろう。また、来週も米8月雇用統計など重要経済指標の発表が多く、引き続き中小型株に物色の矛先が向きやすそう。もっとも米インフレ過熱などの懸念はくすぶり、外部環境を注視しておく必要はあるだろう。IPO銘柄の弱さが際立つことから、銘柄選別姿勢が強いことも窺える。
前回述べたことと重なるが、この週末に新興IT株への海外マネー流入が報じられている。直近の有価証券報告書等に基づくものだろうが、掲載されていたHENNGEなどを見ると、足元でも海外勢が買いに入っている可能性はあるだろう。JMDCやクラウドワークス<3900>などの動向にも注目したい。
IPO関連では、9月2日にモビルス<4370>がマザーズへ、メディア総研<9242>がマザーズ及び福証Q-Boardへそれぞれ新規上場する。ともに公開規模の荷もたれ感はさほど強くないが、初値後軟調な直近IPO銘柄が多いため、初値買い機運は高まりづらそうだ。なお、今週は監視カメラシステムのセーフィー<4375>(9月29日、マザーズ)など7社の新規上場が発表されている。
<FA>
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