6日の米国市場でNYダウは続伸したが、米中貿易摩擦への警戒感から上値が多く、39ドル高にとどまった。前日の海外時間で下落した円相場も、今朝方には1ドル=111.30円近辺まで円高方向に戻しており、本日の日経平均は6円高と小動きでスタートした。指数寄与度の大きいソフトバンクG<9984>が決算を受けて大きく買われ、中国・上海総合指数の反発スタートも支援材料となって、前場の日経平均は22596.46円(89.14円高)まで上昇する場面があった。しかし、上海総合指数の伸び悩みとともに日経平均も前引けにかけて上げ幅を縮めた。
個別では、ソフトバンクGが売買代金トップで6%を超える上昇。第1四半期決算が市場予想を上回る大幅増益となった。上期決算を発表した楽天<4755>も7%近く上昇した。その他売買代金上位では任天堂<7974>、ソニー<6758>などがしっかり。スズキ<7269>やSUBARU<7270>といった自動車株の一角の上げが目立った。第1四半期決算とともに業績予想の上方修正を発表した日製鋼所<5631>は急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、資生堂<4911>などがさえない。太陽誘電<6976>は好決算を発表したが、材料出尽くし感から売りに押された。セクターでは、情報・通信業、保険業、鉱業などが上昇率上位。半面、水産・農林業、パルプ・紙、銀行業などが下落率上位だった。
ソフトバンクGの大幅高は日経平均への影響が大きいだけでなく、個人投資家のセンチメント改善にも寄与することが期待される。しかし、ソフトバンクGのプラス寄与分(約71円)がなければ日経平均はマイナスとなる格好である。東証1部市場では値下がり銘柄数が全体の半数を占め、株式市場全体への好影響は限定的と言わざるを得ない。新興市場ではマザーズ指数が小動きにとどまり、日経ジャスダック平均は8日続落しており、個人投資家の慎重姿勢も根強いことが窺える。米中貿易摩擦の行方や9日に予定される日米の新通商協議(FFR)の内容を見極めたいところだろう。
ただ、個別に見るとソフトバンクGや楽天、日製鋼所、新興市場でも手間いらず<2477>
などが値を飛ばしており、決算を手掛かりとした個別物色は比較的活発である。外部環境の不透明感が強いなか、当面は好決算銘柄の循環物色中心の相場展開が続きそうだ。
(小林大純)
<AK>
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