2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅反落、「波乱の8月」意識しつつトヨタ決算へ
・ドル・円は大幅安、米国の対中制裁懸念で円買い優勢
・値下がり寄与トップは、ファーストリテイリング、同2位はソフトバンクG
■日経平均は大幅反落、「波乱の8月」意識しつつトヨタ決算へ
日経平均は大幅反落。509.36円安の21031.63円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。
1日の米株式市場でNYダウは280ドル安と3日続落。利下げ継続への期待が持ち直したものの、トランプ大統領が中国からの輸入品3000億ドル相当に9月1日より10%の追加関税を課す計画を表明し、米中摩擦激化への懸念が再燃した。前日に1ドル=109円台前半で推移していた為替相場も今朝方には107円台前半まで円高に振れ、本日の日経平均はこうした流れを嫌気して329円安からスタート。寄り付き後も主要企業のさえない決算が嫌気されたうえ、円相場が一時1ドル=106円台を付けるなど強含み、日経平均は前引けにかけて一時21018.73円(522.26円安)まで下落した。東証1部の値下がり銘柄は全体の9割強に上り、全面安の展開だった。
個別では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>など売買代金上位は軒並み下落。電子部品の太陽誘電<6976>やFA(ファクトリーオートメーション)の安川電<6506>は米中摩擦激化への懸念から下げが目立った。決算発表銘柄ではKDDI<9433>などが売り優勢で、日本製鉄<5401>は事業環境の厳しさが意識されて8%超の下落。また、アウトソシング<2427>や古河電工<5801>、シャープ<6753>が東証1部下落率上位に顔を出した。一方、売買代金上位ではZOZO<3092>と花王<4452>が逆行高。好決算銘柄に買いが入り、カプコン<9697>が13%近い上昇で東証1部上昇率2位にランクインし、イビデン<4062>やカシオ計<6952>も急伸。また、レーティング引き上げ観測のITM<2148>はストップ高水準まで買われた。セクターでは、全33業種がマイナスとなり、鉄鋼、非鉄金属、鉱業、海運業、機械などが下落率上位だった。
日経平均は500円を超える下落で前場を折り返した。ここまで発表された主要企業の4-6月期決算は強弱入り混じる内容ではあるが、半導体関連を中心に業績底打ちへの期待が高まり、日経平均の押し上げに寄与してきた。しかし、トランプ氏が対中制裁関税「第4弾」の発動に言及したことで、先行き懸念が再び台頭する可能性がある。2015年の中国元急落をきっかけとした「チャイナ・ショック」以来、市場では8月の波乱相場が警戒されてきたが、現実味を増してきたと捉える向きも出てくるだろう。
こうしたなか、後場の取引時間中にトヨタ自の第1四半期決算が発表される予定。今回も日本企業全体の業績動向を探るうえで注目されるだろう。なお市場予想コンセンサスでは、営業利益で7000億円弱と2%ほどの増益が見込まれている。また、米国では7月雇用統計の発表が予定されており、その内容を見極めたいとの思惑も出てきそうだ。
■ドル・円は大幅安、米国の対中制裁懸念で円買い優勢
2日午前の東京市場でドル・円は大幅安。米トランプ政権による対中制裁発動への懸念で円買い優勢となり、一時106円台に急落した。
ドル・円は朝方の取引で107円半ばに浮揚したが、トランプ大統領が米国産農産物の輸入に消極的な中国を批判。9月の制裁関税発動への可能性で貿易戦争再燃の懸念から円買いが強まり、ドルは一時106円80銭台に急落した。
日経平均株価は前日比509円安で前引けたほか、ランチタイムの日経平均先物は大幅安が続き、日本株安の一段安への警戒感から円買いは変わりがなさそうだ。中国株や欧米株式先物の軟調地合いも、引き続き円買いを支援しそうだ。ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円85銭から107円57銭、ユーロ・円は118円46銭から119円12銭、ユーロ・ドルは1.1070ドルから1.1096ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・アイティメディア<2148>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは、ファーストリテイリング<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・麻生財務相
「為替の安定は極めて重要な要素であり、相場に注目している」
・日銀金融政策決定会合議事要旨(6月19-20日分)
「海外経済をめぐる下振れリスクは依然として大きい」
「物価見通し基調の変調なら政策対応との姿勢を維持することがデフレ脱却のカギ」
【経済指標】
・日・7月マネタリーベース:前年比+3.7%(6月: +4.0%)
・豪・6月小売売上高:前月比+0.4%(予想:+0.3%、5月:+0.1%)
・豪・4-6月期生産者物価指数:前年比+2.0%(1-3月期: +1.9%)
<国内>
・雨宮日銀副総裁が宮崎県の地元経済有識者と意見交換
・13:25 トヨタ自動車決算
<海外>
・特になし
<SK>
・日経平均は大幅反落、「波乱の8月」意識しつつトヨタ決算へ
・ドル・円は大幅安、米国の対中制裁懸念で円買い優勢
・値下がり寄与トップは、ファーストリテイリング、同2位はソフトバンクG
■日経平均は大幅反落、「波乱の8月」意識しつつトヨタ決算へ
日経平均は大幅反落。509.36円安の21031.63円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。
1日の米株式市場でNYダウは280ドル安と3日続落。利下げ継続への期待が持ち直したものの、トランプ大統領が中国からの輸入品3000億ドル相当に9月1日より10%の追加関税を課す計画を表明し、米中摩擦激化への懸念が再燃した。前日に1ドル=109円台前半で推移していた為替相場も今朝方には107円台前半まで円高に振れ、本日の日経平均はこうした流れを嫌気して329円安からスタート。寄り付き後も主要企業のさえない決算が嫌気されたうえ、円相場が一時1ドル=106円台を付けるなど強含み、日経平均は前引けにかけて一時21018.73円(522.26円安)まで下落した。東証1部の値下がり銘柄は全体の9割強に上り、全面安の展開だった。
個別では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>など売買代金上位は軒並み下落。電子部品の太陽誘電<6976>やFA(ファクトリーオートメーション)の安川電<6506>は米中摩擦激化への懸念から下げが目立った。決算発表銘柄ではKDDI<9433>などが売り優勢で、日本製鉄<5401>は事業環境の厳しさが意識されて8%超の下落。また、アウトソシング<2427>や古河電工<5801>、シャープ<6753>が東証1部下落率上位に顔を出した。一方、売買代金上位ではZOZO<3092>と花王<4452>が逆行高。好決算銘柄に買いが入り、カプコン<9697>が13%近い上昇で東証1部上昇率2位にランクインし、イビデン<4062>やカシオ計<6952>も急伸。また、レーティング引き上げ観測のITM<2148>はストップ高水準まで買われた。セクターでは、全33業種がマイナスとなり、鉄鋼、非鉄金属、鉱業、海運業、機械などが下落率上位だった。
日経平均は500円を超える下落で前場を折り返した。ここまで発表された主要企業の4-6月期決算は強弱入り混じる内容ではあるが、半導体関連を中心に業績底打ちへの期待が高まり、日経平均の押し上げに寄与してきた。しかし、トランプ氏が対中制裁関税「第4弾」の発動に言及したことで、先行き懸念が再び台頭する可能性がある。2015年の中国元急落をきっかけとした「チャイナ・ショック」以来、市場では8月の波乱相場が警戒されてきたが、現実味を増してきたと捉える向きも出てくるだろう。
こうしたなか、後場の取引時間中にトヨタ自の第1四半期決算が発表される予定。今回も日本企業全体の業績動向を探るうえで注目されるだろう。なお市場予想コンセンサスでは、営業利益で7000億円弱と2%ほどの増益が見込まれている。また、米国では7月雇用統計の発表が予定されており、その内容を見極めたいとの思惑も出てきそうだ。
■ドル・円は大幅安、米国の対中制裁懸念で円買い優勢
2日午前の東京市場でドル・円は大幅安。米トランプ政権による対中制裁発動への懸念で円買い優勢となり、一時106円台に急落した。
ドル・円は朝方の取引で107円半ばに浮揚したが、トランプ大統領が米国産農産物の輸入に消極的な中国を批判。9月の制裁関税発動への可能性で貿易戦争再燃の懸念から円買いが強まり、ドルは一時106円80銭台に急落した。
日経平均株価は前日比509円安で前引けたほか、ランチタイムの日経平均先物は大幅安が続き、日本株安の一段安への警戒感から円買いは変わりがなさそうだ。中国株や欧米株式先物の軟調地合いも、引き続き円買いを支援しそうだ。ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円85銭から107円57銭、ユーロ・円は118円46銭から119円12銭、ユーロ・ドルは1.1070ドルから1.1096ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・アイティメディア<2148>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは、ファーストリテイリング<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・麻生財務相
「為替の安定は極めて重要な要素であり、相場に注目している」
・日銀金融政策決定会合議事要旨(6月19-20日分)
「海外経済をめぐる下振れリスクは依然として大きい」
「物価見通し基調の変調なら政策対応との姿勢を維持することがデフレ脱却のカギ」
【経済指標】
・日・7月マネタリーベース:前年比+3.7%(6月: +4.0%)
・豪・6月小売売上高:前月比+0.4%(予想:+0.3%、5月:+0.1%)
・豪・4-6月期生産者物価指数:前年比+2.0%(1-3月期: +1.9%)
<国内>
・雨宮日銀副総裁が宮崎県の地元経済有識者と意見交換
・13:25 トヨタ自動車決算
<海外>
・特になし
<SK>
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