イベントをこなし底堅いドル円
日経平均はフライング気味に大幅安となっていますが、ドル円はどうなるのでしょうか。
これまでの材料とともに見ていきたいと思います。
先日発表された米国のGDPの悪化し、FOMCの声明文から6月利上げの可能性はかなり後退しました。
市場コンセンサスとしては9月の利上げは織り込んでいたとされていましたが、1部では12月まで後退したのではないかといわれているほどです。
これには、昨年秋以降ドル独歩高の状態が続いていることから、本格的に米国企業の収益に影響している事が挙げられます。
米国企業の決算発表では、予想を上回った企業は約半数ほどという状況になっています。
雇用は確実に増加しており、賃金上昇率も1年前に比べて2.6%の上昇となっていますが、ドル高の悪影響がはっきりと出ていることでは利上げ時期後退の言い訳が出てきたことになります。
しかしドル円は、FOMCで「景気の下振れを一時的なこと」とも出たことからか大きく下落することなく反発。2月の雇用統計以降は鉄板となっている118.30円を割り込まなかったことから、中期トレンドも上昇維持となっています。
GDPの大幅悪化という相当なドル売り材料となったにもかかわらず、反発した事は大きいでしょう。
つまり、それを覆すほどのドル買い需要があるか、GDPの悪化や6月利上げを行わないことは既に織り込み済みだったということかもしれません。
今後のドル買い需要としては、生保の新年度の外債買いや海外投資信託のドル買いがあります。
そして、4月は平均28.3万件と好結果である新規失業保険申請件数や、4月30日に発表されたシカゴ購買部協会景気指数を見ても、今後の状況はそれほど悪くなるとは思えません。
もちろん雇用統計で大きく下振れることは考えられるものの、以上のようなことから最終的には堅調な推移となることが予想されます。
また、5月末に設定されているドル円125円のオプションも非常に気になるところです。