*13:48JST テノックス Research Memo(8):技術革新に積極的に取り組み、新たな価値と市場を創出
■中期経営計画の進捗状況
1. 長期ビジョン
テノックス<1905>は、2018年に長期ビジョン(目指すべき企業像)を策定した。「人間尊重、技術志向、積極一貫」という経営理念をバックボーンに、長期的に変化する社会のニーズに適応した技術革新に積極的に取り組むことで新たな価値と市場を創出するとともに、基礎工事を通して社会に「安全」と「安心」を提供し、すべてのステークホルダーが豊かさを実感できるサステナブルな企業を目指している。こうした長期ビジョンの実現に向けて、同社は計画を3つのフェーズに分け、前中期経営計画(2018年度~2020年度)で橋頭堡づくりを目指した。続いて、2021年に策定した現中期経営計画(2021年度~2023年度)ではスローガンを「進取の気性」とし、少子高齢化による新設工事の減少やインフラの維持・補修、激甚災害への対策強化といった建設需要の変化、及び働き方改革による生産性向上を目的とした省力化・自動化・デジタル化など環境の変化に「適応」することで、新たな50年の礎となる高付加価値を追求することを目指した。そして、2024年度スタートの次期中期経営計画では、サステナビリティ経営の高度化を目指している。
現中期経営計画は定量目標未達も、基本戦略は着実に実行
2. 現中期経営計画
現中期経営計画で同社は、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つを基本戦略とした。開発戦略では、基礎分野における高付加価値の創出により社会が安心できる信頼性を確立し、環境変化と国土の強靭化に基礎技術で貢献する計画とした。営業・施工戦略では、設計提案から施工まで一気通貫したサプライチェーンの実現や開発途上国の社会インフラ整備に貢献、ESG戦略では、社会的課題の解決や企業価値の向上などに積極的に取り組み、サステナビリティ経営の高度化を目指した。3つの基本戦略により、国土のリダンダンシー※整備事業(高速鉄道整備事業及び高速道路整備事業)で基礎工事を確保するとともに、民間建築事業では営業領域を広げ、ベトナムなど海外では基礎工事を本格的に展開した。また、「VCCS」の利用拡大と標準化、ICT施工技術の積極導入、M&Aや業務資本提携を生かした業容拡大などを進めた。
※リダンダンシー(Redundancy):国土計画上では、自然災害などによる障害発生時に、一部区間の途絶や一部施設の破壊が全体の機能不全につながらないよう、交通ネットワークやライフラインなどインフラをあらかじめ多重化したり、予備の手段を用意したりすること。
現中期経営計画がスタートして2年半が経過したが、この間、コロナ禍やウクライナ情勢などの影響が長引き、原材料高や円安、同業他社との競争激化、一部工事遅延など想定外の外部環境変化が生じた。このため原材料の調達や価格転嫁などの面で難度の高い対策が必要となり、最終年度である2024年3月期の売上高220億円、経常利益15億円、ROE8%という定量目標は未達になる見込みだ。しかし、2024年3月期においても3つの基本戦略を着実に実行しており、北海道新幹線延伸事業や関西インフラ関連といったリダンダンシープロジェクトなどで実績を積み上げている。ESG戦略に関しても、CO2排出量の少ない燃料使用の拡大や健康経営、コンプライアンス研修の充実など着実な進展を見せている。コロナ禍後の業績回復は想定どおりに進まなかったものの、3つの基本戦略を着実に実行してきたことで、業績は回復トレンドに乗ってきたように見える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SO>
1. 長期ビジョン
テノックス<1905>は、2018年に長期ビジョン(目指すべき企業像)を策定した。「人間尊重、技術志向、積極一貫」という経営理念をバックボーンに、長期的に変化する社会のニーズに適応した技術革新に積極的に取り組むことで新たな価値と市場を創出するとともに、基礎工事を通して社会に「安全」と「安心」を提供し、すべてのステークホルダーが豊かさを実感できるサステナブルな企業を目指している。こうした長期ビジョンの実現に向けて、同社は計画を3つのフェーズに分け、前中期経営計画(2018年度~2020年度)で橋頭堡づくりを目指した。続いて、2021年に策定した現中期経営計画(2021年度~2023年度)ではスローガンを「進取の気性」とし、少子高齢化による新設工事の減少やインフラの維持・補修、激甚災害への対策強化といった建設需要の変化、及び働き方改革による生産性向上を目的とした省力化・自動化・デジタル化など環境の変化に「適応」することで、新たな50年の礎となる高付加価値を追求することを目指した。そして、2024年度スタートの次期中期経営計画では、サステナビリティ経営の高度化を目指している。
現中期経営計画は定量目標未達も、基本戦略は着実に実行
2. 現中期経営計画
現中期経営計画で同社は、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つを基本戦略とした。開発戦略では、基礎分野における高付加価値の創出により社会が安心できる信頼性を確立し、環境変化と国土の強靭化に基礎技術で貢献する計画とした。営業・施工戦略では、設計提案から施工まで一気通貫したサプライチェーンの実現や開発途上国の社会インフラ整備に貢献、ESG戦略では、社会的課題の解決や企業価値の向上などに積極的に取り組み、サステナビリティ経営の高度化を目指した。3つの基本戦略により、国土のリダンダンシー※整備事業(高速鉄道整備事業及び高速道路整備事業)で基礎工事を確保するとともに、民間建築事業では営業領域を広げ、ベトナムなど海外では基礎工事を本格的に展開した。また、「VCCS」の利用拡大と標準化、ICT施工技術の積極導入、M&Aや業務資本提携を生かした業容拡大などを進めた。
※リダンダンシー(Redundancy):国土計画上では、自然災害などによる障害発生時に、一部区間の途絶や一部施設の破壊が全体の機能不全につながらないよう、交通ネットワークやライフラインなどインフラをあらかじめ多重化したり、予備の手段を用意したりすること。
現中期経営計画がスタートして2年半が経過したが、この間、コロナ禍やウクライナ情勢などの影響が長引き、原材料高や円安、同業他社との競争激化、一部工事遅延など想定外の外部環境変化が生じた。このため原材料の調達や価格転嫁などの面で難度の高い対策が必要となり、最終年度である2024年3月期の売上高220億円、経常利益15億円、ROE8%という定量目標は未達になる見込みだ。しかし、2024年3月期においても3つの基本戦略を着実に実行しており、北海道新幹線延伸事業や関西インフラ関連といったリダンダンシープロジェクトなどで実績を積み上げている。ESG戦略に関しても、CO2排出量の少ない燃料使用の拡大や健康経営、コンプライアンス研修の充実など着実な進展を見せている。コロナ禍後の業績回復は想定どおりに進まなかったものの、3つの基本戦略を着実に実行してきたことで、業績は回復トレンドに乗ってきたように見える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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