売り方の買戻しに期待
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 250.19 ドル安の 34496.06、ナスダック総合指数は 93.34 ポイント安の 14486.20 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28485 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はもみ合いスタートを想定。前日終値近辺から始まると思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、売り一巡後に切り返す動きとなった。下方の窓を埋めたあと、上方の窓をすぐに埋めており、典型的な需給の動きであるといえよう。
ただ、上値メドとなっていた上方の窓上限(28343.58 円)を終値ベースで上回っており、チャートは強気形状へと変化。上昇しやすい状態となっている。目標となるのは上方に空いている窓(30000 円弱)でり、短期的にはここまでの上値余地が生じたと言えよう。
株価上昇の背景となっているのは、岸田首相が金融課税強化の議論を先送りしたから。市場では「金融所得課税が強化され、国民への分配の原資とされる」との見方が強かっただけに、投資家が一応、安心したということになる。また、外国為替市場では円安が進行。本日は1ドル=113 円台に乗せており、足元で円安・ドル高が急ピッチで進んでいる。背景にあるのが、足元のインフレの加速。特に米消費者物価が上昇していることや、原油などエネルギー価格の上昇が顕著となっている。米国において早期の緩和縮小、利上げが行われるとの観測が強まっており、それが日米金利差を拡大。金利裁定によってドル高が進んでいるとの見方が強い。日本株は円安進行を受けて、輸出関連株が全体相場を押し上げやすくなっているようだ。投資家はチャートの「強気シグナル」を受けて、「買いポジション」を維持。売り方の買い戻しに期待する局面であるといえよう。
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