軸が大きく下に傾き、上値を抑えられる公算大
昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 311.75 ドル高の 34314.67、ナスダック総合指数は 178.35 ポイント高の 14433.83 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27715 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は買い先行の展開を想定。リバウンドを試すと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、買い一巡後に下値を試す動きとなった。弱気のつつみ足が出現しており、相場の弱さを露呈。上方の窓埋めを拒否している。軸が大きく下向きに傾いている証拠であり、株価は中長期的に下押ししやすい。本日は買い先行が予想されるものの、この動きは短期リバウンド。早々に上値を抑えられる公算が大きいと考えたい。
米国株が上昇したのは、野党共和党のマコネル院内総務が債務上限の引き上げに前向きな姿勢を示したから。米デフォルトの可能性が後退し、米長期金利がやや低下。株式を買い戻す動きとなっている。
ただ、日本株を取り巻く環境は厳しく、すぐに上昇本格化ということにはなりそうもない。足元で原油価格が7年ぶりの高値をつけており、物価上昇による企業業績への圧迫が懸念されているからだ。エネルギー、食品価格の上昇が顕著となっており、それがスタグフレーション(不況下での物価上昇)を生み出している。米 FRB は 11 月にもテーパリング(量的緩和の縮小)を示唆している。物価上昇を阻むために金融引き締めが慣行されるのであれば、中央銀行が統制できないいびつな経済状況に陥る可能性がある。もちろん株価は下方向で反応することになり、足元でそれを先取りする可能性があるのだ。投資家は「売りポジション」を持ちながら、「本当にそうなるのか」を見極める局面となる。
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