東ソーは4月に新中期経営計画を始動、オルガノなど保有株に注目
住友化学が2日、2016―18年度の中期経営計画を発表。翌3日に同社が220万株(14.8%)保有する田中化[JQ](4080)が917円(+150円)ストップ高と買い進まれました。
化学工業日報社が「戦略的M&A枠3000億円を含め最大7000億円を投じて事業ポートフォリオの高度化を図り、15年度に1700億円を見込む経常利益を向こう10年で倍増させる。情報電子化学、医薬品、農薬のスペシャリティケミカル分野を収益の柱に置き、バルクケミカル分野を基盤事業に据える「総合化学メーカー」を堅持し、年率11%の利益成長を目指す。」と報じていましたので、田中化に対し追加投資するとの見方が強まりました。
原油安の影響が化学大手の業績は好調で、三菱ケミH[東1](4188)、住友化[東1](4005)、旭化成[東1](3407)、東ソー[東1](4042)の4社が営業最高益を更新しました。
住友化の新中計で戦力的M&Aを積極化する方針ですから、東ソーの新中計の発表に市場の関心は向かうと思われます。
11日、化学工業日報社が「東ソーは4月に始動する3カ年の中期経営計画に、フィリピンにおける塩ビ事業の増強計画を盛り込む。国内総生産(GDP)成長率並みの需要の伸びを前提に、塩化ビニル樹脂(PVC)は2018年末までに現状の2倍となる年産21万トン体制を構築。塩ビコンパウンドは17年にも新ラインを導入して能力を2割強引き上げる計画。年内にも意思決定したい考え。成長へのギアチェンジを掲げる新中計で基盤事業のビニルチェーンも積極攻勢に転じる。」と報じています。
まだ、詳細については明らかにされていませんが、1月26日付の日本経済新聞の朝刊では「中長期に収益を支えるような研究開発のテーマに資金を使っていく。特に自動車や医療、電子部品向けの高機能な化学品やバイオ関連事業を成長分野に育てたい。」と東ソーの宇田川社長のコメントが掲載されていましたので、M&Aを推し進める可能性はあります。
昨年東ソーは、保有していた保土谷[東1](4112)株の大半を売却していますから、その資金をより良い案件に振り向けると思われます。
東ソーが保有している銘柄には、オルガノ[東1](6368)・ロンシル工[東2](4224)・邦アセチレン[東2](4093)・マナック[東2](4364)・タキロン[東1](4215)・ニッカトー[東1](5367)などがあります。
参考までにオルガノですが、株価は2月12日に昨年来安値395円、3月1日安値402円と売り直されて下値を確認した感があります。ノーベル賞を受賞した「スーパーカミオカンデ」でのニュートリノ研究に超純水製造設備で貢献、来3月期増収増益が観測されています。PBR0.55倍と割り負け、原子力・火力発電所向け水処理プラントや地下水・土壌浄化など手掛けていることも見直される可能性はあり、待ち伏せ感覚で押し目は注目出来そうです。
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