アラムコがIPOを検討、昭和シェルや富士石油に関心向かうか
サウジアラビアのムハンマド副皇太子は英エコノミスト誌のインタビューで、世界最大の石油会社である国営のサウジアラムコの新規株式公開(IPO)を検討していることを明らかにしたと報じられていましたが、アラムコは検討している事実を認める声明を発表しました。
アラムコの原油とコンデンセートの可採埋蔵量2610億バレルは、米エクソンモービルの10倍以上。英エコノミスト誌では、アラムコの企業価値について「数兆ドル」と観測しており、世界の関心を集めています。
サウジは長引く原油価格の低迷によって財政が悪化し、2016年予算では10兆5000億円相当の財政赤字を見込むといわれており、IPOによる資金調達の効果は大きいと見られています。
また、アラムコは昨年10月に日本の自動車メーカーとナフサを使った新型燃料の開発に乗り出す方針を明らかにしたことも見逃せません。
今後、日本の自動車メーカーのほか、石油会社との提携が視野に入ることから、サウジアラビアと密接な関係にある昭和シェル[東1](5002)や富士石油[東1](5017)にも市場の関心が向かう可能性はあります。
足元で原油価格が下落しているため、昭和シェル[東1](5002)や富士石油[東1](5017)の株式を手放す懸念はあるものの、日本の自動車メーカーがそれを譲り受ける道も十分考えられます。
昨年は、東芝[東1](6502)が手放したトプコン[東1](7732)が11月から12月初めに上昇。売却検討と伝わった東芝テック[東1](6588)が同様に急騰しましたので、資金調達に迫られているサウジアラビア政府、同政府系アラムが同様に昭和シェル[東1](5002)や富士石油[東1](5017)の株式を売却、或は売却検討と発表等があった場合、動意付く可能性が出てきます。
また、業界再編思惑が再燃する可能性もありますから、原油価格の動向と併せて動向については見ておきたい。
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