「貧乏パスタ」

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「貧乏パスタ」

(略)たまたまテレビ局のプロデューサーとイタリア料理店で食事をする機会があり、私がニンニク、塩コショウ、鷹の爪をオリーブ・オイルで和えただけのシンプルな一品「アーリオ・オリオ・エ・ペペロンチーノ」スパゲッティを頼んだ。これは、日本における「素うどん」と言ってもいいポジションのスパゲッティで、私がフィレンツェでいつ野垂れ死にしてもおかしくないほど貧乏な暮らしをしていた時代に、おそらく最も高い頻度で食べていた料理である。

当時イタリアでは、安いスパゲッティだと五百グラム入りが五十円くらいで買えたから、「一人前=百グラム」と換算すれば、一人分の食料費は他の食材を足しても二十円か、多くても三十円くらいだろう。まさに私の飢えを救ってくれた食べ物だと言っていい。
(略)

ところが、札幌のレストランで出されたこのスパゲッティの値段は、当時で千円を超えていて、私は思わず「うわあ、ほとんどレストランの儲けじゃないですか・・・・・・」と漏らしてしまった。
(略)

「なんだかイタリアのイメージが日本には間違って伝わってませんかねえ」

    *

★「パスタぎらい」
  ヤマザキマリ著 新潮新書 2019.4.20.発行 2019.5.15.2刷
  「貧乏パスタ」P.11~12より抜粋

ヤマザキマリの書籍はオモロイ。
彼女はイタリアだけでなく、世界中で暮らしたことがあるそうで、
各国の食文化と実態に精通しているようだ。

抜粋した箇所をイタリア料理店のシェフが知ったら怒るのだろうけど、
一般読者にとっては、なるほど、そーいうことかと参考になる。
「アーリオ・オリオ」系のパスタは、自宅で料理するに限ると。

他にも、日本では当たり前なトマトケチャップベースのナポリタンを、
現地イタリア人に食べさせてみた話とか、
世界で寿司はメジャーになったけど、おにぎりはまだ全然とか、
読んでいて興味深い話が満載なエッセー集。

しかも、裏表紙に飾られたヤマザキマリの写真が、なかなかイケている。
ファンのヒトならば、買うしかないだろう。




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