「オウム」は再び現れる

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「オウム」は再び現れる

あの当時、結果だけ見て、その経過というものには無頓着だった。
結果だけ見たとき、被害者だけでなく、末端の信者もたまったもんじゃないと、そんな風に感じたが。

著者の島田は、当時、書いた記事が元でオウムシンパと思われて叩かれたというが、オイラはその記事を知らないので、なんの先入観もなく島田の書籍を読んでみた。

教祖のたどってきた道のりが、わかりやすく描かれており、それが途中からおかしくなっていくという課程が描かれていた。
途上、仏教やヨガについての基本的な事項についても記述があり、後にすぐ忘れてしまうにせよ、読んでいてなるほどと思う。

しかし、結局のところ、一般的な組織として俯瞰したとき、オウムの問題は宗教に関わりなく誰にでも起こりえる問題として、提起されている。
昨今の企業不祥事にはじまり、オイラの場合には、政治家・極道・公務員・警察官・大企業が歩調を合わせたIT談合に遭遇したのだから、人ごとではない。一体この問題と、オウム真理教の問題と、どこが違うというのか?

突き詰めて考えれば考えるほど、オウム問題は人ごとでは済まないことが理解できるだろう。

★「オウムは再び現れる」
 島田裕己著 中公新書クラレ 2018.12.10.発行

一方で、読後感として感じるのだが、純粋に、己の内心に生じた信念というものが正しいと信じた瞬間に、「思想の違い=殺し合い」という短絡的な末路にたどり着きやすいという、歴史上、誰がみても明らかな問題に行き着いてしまう。そんな怖さも感じた。



2件のコメントがあります
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    murabo-さん
    2019/5/5 10:06
     今日は。
     宗教は為政者が人民を統治するための手段と考えています。現在のいわゆる共産主義も、若しかしたら, 安倍氏の言う民主主義も宗教かもしれないと考えています。
     1信教の世界では、他の宗教は絶対的な悪で、敵です。僕は善悪2元論はすきでなく、多神教である日本の考え方が好きです。絶対的な悪も善もなく、それぞれに言い分があると考えます。
     世界の中で多神教、ある意味で無信教である日本は素晴らしいと思っています。
     今オウム等の宗教が問題となるのは、無信教の日本人には心の中にお天道様がいて、本来それに従って生きていけばよいのですが、お天道様のいない日本人が増えてきていると思えることです。



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    元祖SHINSHINさん
    2019/5/5 17:49
    人民統治のための宗教という側面は中世の頃などに強く、あるいは逆に宗教による人民統治を恐れた為政者により虐待されてきたと認識しています。

    共産主義も民主主義もある意味で宗教という見方は、わたしもそのように感じます。

    お天道様のいない日本人はたしかに増えているようですが、これは世界中で言えるように思えます。少なくともお天道様とは、おのれの良心なのでしょう。たまに挫けそうになるのですが、おのれの良心をもっと育てていかないとイケナイと、感じています。


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