単一通貨ユーロの問題点を考える(復習)

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単一通貨ユーロの問題点を考える(復習)

素人のひとりごと日記です。


2ヶ月ほど前、ある会社員との投資話が印象に残っている。


「どのような銘柄がいいと思っているの~」(・・?


と聞かれたので


「少し短期的な予想ですが、○○、○○、○○、○○、○○(銘柄名)」


と理由付けをしながら5つ銘柄を上げた。


「へぇ~、よさそうだねぇ~」
「僕も買おうかなぁ~」


と言われてので


「もし買うのであれば、株価が下がった時に買うといいですよ~」
「もちろん、自己責任ですから、よく調べてくださいね!」


と答えた。


すると


「今、僕の持っている株が買った値段まで戻ってからにするよ~」(・_・;)


とのこと。


保有している銘柄の状況を聞くと、買った値段の半値以下になっており、しかも
なかなか元の値段に戻りそうにもない銘柄だった。結局のところ無駄話になった。


「株式投資は損切できてはじめて成功する」


損切できない人にいくら投資の話をしても無駄になることが多い。


ちなみに、そのとき話をした5つの銘柄の現在の状況は
4つ株価上昇、1つは、あまり変わらず。(4勝1分け)
(話をしたとき、日経平均株価も安値の水準だった)


その会社員が保有していた銘柄は、ジリ安になっている。


・・・


単一通貨ユーロの問題点を考える(復習)


欧州のポルトガル銀で信用不安の問題が少し表面化した。
自分のために、これまで日記に書いた通貨ユーロの問題点を少し復習してみたい。
(市場専門家の話をするようなことは、重なるので省略)


○秘密合意


1979年 欧州通貨制度(European Monetary System )発足


(半固定相場制の導入)


1986年 単一通貨議定書調印 欧州通貨単位(European Currency Unit)創出


(バスケット通貨の導入)


その3年後に、日記にも書いた通貨ユーロ誕生に向けての重要な秘密合意があった。


1989年11月2日


フランスのミッテラン大統領と西ドイツのコール首相との間で秘密合意された。


当時の国際情勢からドイツ人悲願の東西ドイツ統一のためには
どうしてもフランスの合意が必要だった。
(もともと、西ドイツのインテリ層は、通貨マルクは高い「信用力」があるうえ
いい加減な南欧のラテン系の国民と同じ通貨を使うことに反対だった。)


フランスの方も、ドイツと手を組んで、金融で大きな力を持つブンデスバンクの支配から
免れる必要があった。(正しくは専門家へ)


欧州の大国、ドイツとフランスのお互いの利害が合致したため秘密合意に至った。


ドイツが強いマルクを捨てて欧州連合の一員として生きる約束をした裏には
東西ドイツ統一といった「特別な事情」があった。


1989年11月10日 ベルリンの壁崩壊


学者さんやマスコミ向けのパーフォーマンス
重要なのは、秘密合意の内容


1999年 ユーロ導入(決済通貨)へ


ドイツにとって不利な通貨ユーロ導入をすることになった「特別な事情」を考えると
南欧の重債務国の負担をドイツがどこまで面倒をみるのか考えさせられる。


○宗教の違い


宗教と経済活動との間には密接な関係がある。
宗教の問題は、単一民族、単一国家の日本ではあまりピンとこない。


ドイツ、オランダ、フィンランドは主にプロテスタント
PIIGSのポルトガル、イタリア、アイルランド、スペインは主にカトリック
ギリシャはギリシャ正教


プロテスタントについては世界史の宗教改革でも勉強した。
カトリックとプロテスタントの違う宗派を信仰する人々が同じ通貨を使うと何かと
問題が起きる。


(歴史上の人物:マルチン・ルター、マックス・ウェーバーなど)


たとえば、仏教が多い日本国とイスラム教を信仰する国と同じ通貨を使うと問題が
起きそうなことは容易に想像できる。イスラム金融では利息をつけることはできない。


プロテスタントは、勤勉。
カトリックは、陽気で明るくていい加減、芸術的なセンスある。


などと現地人とビジネスをされている人から聞いたことがある。


ベンツやBMWのような優れた自動車を製造するドイツ人とシエスタ(昼寝)のある
スペイン人が同じ通貨を使っている。ヨーロッパの問題は宗教の違いとも関係する。


○ユーロ圏の固定相場制


ユーロを導入したときの1ユーロとの交換レート


ドイツ・マルク 1.95583
オランダ・ギルダー 2.20371
フィンランド・マルカ 5.94573


ポルトガル・エクスクード 200.482
イタリア・リラ 1936.257
ギリシャ・ドラクマ 340.75
スペイン・ペセタ 166.386


ドイツは、約2マルクと1ユーロ交換
イタリアは、約2,000リラと1ユーロ交換だった。


欧州は、統一通貨ユーロを導入し、ユーロを「固定相場制」にした。


ユーロを導入したとき、西ドイツは旧社会主義国の東ドイツと統一したばかりで
ドイツ経済はボロボロだった。対して当時、南欧諸国の経済は比較的順調だった。


その後、ドイツは効果的な政策や国民の勤勉さで、経済面でもドイツを統一することに成功、

ドイツ経済は成長した。反面、南欧諸国の経済は住宅バブル崩壊のダメージを受けるなど

経済は低迷し欧州ソブリンリスクが表面化する。


ユーロを導入したときと現在では、明らかにユーロ圏の国々のファンダメンタルズは
大きく変化している。(ユーロ圏の財政収支を見てもわからないので、貿易収支や経常収支の

推移などを見た方がよい)


もし、ユーロ圏の国々が昔の通貨をそのまま使っていれば、ドイツ・マルク高になり
南欧諸国の通貨は価値を下げたと思う。しかし、ユーロ圏は固定相場制になっているので
矛盾が表面化している。また、ユーロ圏の決済機構ターゲット2の問題もある。


TARGET2


国家統合が果たされないままの単一通貨制度の決済機能の高度化は,単一通貨制度に

固有に存在する問題を解決することにはつながらず,それをより鮮明にすることになろう
(中略)

ドイツ・ブンデスバンクはTARGET Balancesの不均衡の拡大的累積(債権の累積)が
むしろ「人質」となって,そのために「(欧州安定)メカニズム」の設立に乗り出して
いかざるを得ない状況に追い込まれていったといえよう。


(立命館大学 国際関係学部 奥田宏司教授
「ユーロ決済機構の高度化(TARGET2)について」より引用)


インターネットで見つけたリポート。少々難しいですが、ユーロ圏の問題を知るうえで
とても重要なTARGET2についてくわしく解説されている。


TARGET2を理解すると、将来再び欧州の金融市場で混乱が起きたとき、ドイツの厳しい
立場が理解できる。


・・・


ユーロ導入時と現在と比較して、ユーロ圏のファンダメンタルズは大きく変化している。
にもかかわらず、固定相場制を続けていくことには無理がある。


ECBの用意したOMTなどのバスーカ砲により、ユーロ圏の問題は表面的には沈静化しているが

何かのきっかけで問題がいつ表面化してもおかしくない状況にある。


少し表面化したポルトガル銀めぐる信用不安の問題は、氷山の一角にすぎない。


市場専門家は、ヨーロッパの状況を「落ち着きを取り戻している」などと表現していた。
重病患者の症状悪化が劇薬で一時的に緩和したとき、同じような表現を聞くことがある。
(金融緩和を劇薬と言う専門家もいる)


[パリ 18日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は18日、金融市場は

欧州経済について「恐らく楽観的すぎる」との認識を示した。欧州の高水準な失業率と債務が投資を

阻害し、将来の成長見通しに悪影響を及ぼす可能性があると警告した。
(7月18日 ロイターニュースより引用)


根本的な問題を先送りしているヨーロッパの状況にも引き続き注意したい。



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