トミー(先端システムトレード研究室)さんのブログ
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究極の売買ストップを追い求めた15年。その答えは
ひまわり証券の「田中雅」氏のコラムに興味深い記事がありましたので、紹介したいと思います。
(田中氏はオランダ放送協会オーケストラの第一ソロチェリストであると同時に、在欧州大手商社や銀行等、数社のコンサルタントとして通貨システム運用の顧問も勤める凄腕トレーダーです。)
原文はこちら >> 間奏曲(3):売買ストップの原型を捜し求めて
http://sec.himawari-group.co.jp/systemtrade/knowledge/tanaka-tadashi/interlude03.html
原文はかなり長いので、簡単に紹介すると、
田中氏は15年間トレンドフォローにおける理想的なストップ注文のタイミングを探し続けていましたが、その答えは見つからずにいました。
ある日、田中氏が運用を手がけているオランダの投資会社社長ヤンから唐突に
「君に運用してもらっている資産だけどね。アメリカの非常に優秀そうなシステム運用者を見つけたので、君との契約を解除して彼に預けようかとも思うんだ。ついてはこの運用マニュアルについて君の率直な意見を伺いたいのだが?なんと言ってもシステム運用のことを良く知っているのは君のほうだからね。」
と切り出されました。要は「あなたを首にしたいのだが、自分と競争者を比較してちゃんと研究した結果を教えてくれ」ということなのですが、田中氏はこれをしぶしぶ受諾し、運用マニュアルを中身を見ることになりました。
ところが、なんとそのマニュアルの中には田中氏が15年探し求めていた答えがあったのです。
それは「いかにして答えをゼロから理想となるストップ注文のタイミングを探し正解を発見するのか」という内容でした。
田中氏は自ら自分を首にすることを勧め、その代わりにマニュアルをしばらく借りることになりました。
その1週間後、米国西海岸から電話がかかってきて、このマニュアルにあるシステムの開発者と話をすることになったのですが、開発者側も自分のシステムの凄さを理解してくれたことをうれしく思い、このシステムを使って研究してみないかと提言をしてきました。
田中氏はこのありえないような提言を受け、研究を開始しました。
このシステムの内容は一言で言うとすべての金融商品に対しあらゆるアイデアで最適解を探索する検索エンジンです。開発されたのは90年代前半ですが、遺伝子的アルゴリズムに似た「超高速間引き探索モード」を備え、約1秒間で50年分のデータの検索が可能という超高速性能を誇っていましたし、ウォークフォワードテスト探索機能や現代マシン顔負けの未知データ仮想運用再現機能を備えていました。
また、当時誰も語ったことのないような奇抜なボラティリティ計算のほぼすべての素材がそろっていました。
さて、田中氏はその検索エンジンを活用して、15年間探し続けていた理想のストップ注文を探し始めました。
興味深い点は次の2点。
まずは、2003年以降はあまり機能しなくなっている点。
全金融市場のボラティリティが激減した魔の2003年から以降は、明らかにそれほどうまくは機能しなくなっている。2003年に恐らくトレンドフォローの古典主義の時代が終焉したものだと考えられます。
次に実はこのストップ注文は究極に単純なものであるということ。
日のストップを計算するのに昨日のデータしか使わないと言う点である。ほしければ100日間でも1000日間でもデータはある。検索では全てのアイデアを1から99日くらいまでの時間枠に渡って調査してある。その調査結果はたった1日、昨日のデータしか使わないというものでした。
ここからは僕の感想になりますが、この2点の結論は自分の考えとほぼおなじでした。
まず、最近の市場の動きはこれまでのものとは異質であるということ。だからこそ市場の動きの原理原則的な深く根付いた性質を利用しなければならないということ。
次に出てきた答えが究極に単純なものであったという点について。
基本的にテクニカル分析では、直前のチャートの動きの影響程信頼性が高いと思っていますし、意外と人間の考えていることなんてその程度です。市場は人間の心理の集合体ですから、あまりに複雑な要因の組み合わせが良い結果を生むとは考えていません。
結論としては、市場の動きに深く根付いた性質を見つけることが最重要ということです。
ちなみに、近々マネージンに掲載される僕の第5回目の連載でも同様の内容を記載していますので、ぜひ読んでみてください。
>> 先端システムトレード研究室
http://www.systr-lab.com/
(田中氏はオランダ放送協会オーケストラの第一ソロチェリストであると同時に、在欧州大手商社や銀行等、数社のコンサルタントとして通貨システム運用の顧問も勤める凄腕トレーダーです。)
原文はこちら >> 間奏曲(3):売買ストップの原型を捜し求めて
http://sec.himawari-group.co.jp/systemtrade/knowledge/tanaka-tadashi/interlude03.html
原文はかなり長いので、簡単に紹介すると、
田中氏は15年間トレンドフォローにおける理想的なストップ注文のタイミングを探し続けていましたが、その答えは見つからずにいました。
ある日、田中氏が運用を手がけているオランダの投資会社社長ヤンから唐突に
「君に運用してもらっている資産だけどね。アメリカの非常に優秀そうなシステム運用者を見つけたので、君との契約を解除して彼に預けようかとも思うんだ。ついてはこの運用マニュアルについて君の率直な意見を伺いたいのだが?なんと言ってもシステム運用のことを良く知っているのは君のほうだからね。」
と切り出されました。要は「あなたを首にしたいのだが、自分と競争者を比較してちゃんと研究した結果を教えてくれ」ということなのですが、田中氏はこれをしぶしぶ受諾し、運用マニュアルを中身を見ることになりました。
ところが、なんとそのマニュアルの中には田中氏が15年探し求めていた答えがあったのです。
それは「いかにして答えをゼロから理想となるストップ注文のタイミングを探し正解を発見するのか」という内容でした。
田中氏は自ら自分を首にすることを勧め、その代わりにマニュアルをしばらく借りることになりました。
その1週間後、米国西海岸から電話がかかってきて、このマニュアルにあるシステムの開発者と話をすることになったのですが、開発者側も自分のシステムの凄さを理解してくれたことをうれしく思い、このシステムを使って研究してみないかと提言をしてきました。
田中氏はこのありえないような提言を受け、研究を開始しました。
このシステムの内容は一言で言うとすべての金融商品に対しあらゆるアイデアで最適解を探索する検索エンジンです。開発されたのは90年代前半ですが、遺伝子的アルゴリズムに似た「超高速間引き探索モード」を備え、約1秒間で50年分のデータの検索が可能という超高速性能を誇っていましたし、ウォークフォワードテスト探索機能や現代マシン顔負けの未知データ仮想運用再現機能を備えていました。
また、当時誰も語ったことのないような奇抜なボラティリティ計算のほぼすべての素材がそろっていました。
さて、田中氏はその検索エンジンを活用して、15年間探し続けていた理想のストップ注文を探し始めました。
興味深い点は次の2点。
まずは、2003年以降はあまり機能しなくなっている点。
全金融市場のボラティリティが激減した魔の2003年から以降は、明らかにそれほどうまくは機能しなくなっている。2003年に恐らくトレンドフォローの古典主義の時代が終焉したものだと考えられます。
次に実はこのストップ注文は究極に単純なものであるということ。
日のストップを計算するのに昨日のデータしか使わないと言う点である。ほしければ100日間でも1000日間でもデータはある。検索では全てのアイデアを1から99日くらいまでの時間枠に渡って調査してある。その調査結果はたった1日、昨日のデータしか使わないというものでした。
ここからは僕の感想になりますが、この2点の結論は自分の考えとほぼおなじでした。
まず、最近の市場の動きはこれまでのものとは異質であるということ。だからこそ市場の動きの原理原則的な深く根付いた性質を利用しなければならないということ。
次に出てきた答えが究極に単純なものであったという点について。
基本的にテクニカル分析では、直前のチャートの動きの影響程信頼性が高いと思っていますし、意外と人間の考えていることなんてその程度です。市場は人間の心理の集合体ですから、あまりに複雑な要因の組み合わせが良い結果を生むとは考えていません。
結論としては、市場の動きに深く根付いた性質を見つけることが最重要ということです。
ちなみに、近々マネージンに掲載される僕の第5回目の連載でも同様の内容を記載していますので、ぜひ読んでみてください。
>> 先端システムトレード研究室
http://www.systr-lab.com/
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こんにちは。
僕もやっきになっていろいろな指標を組み合わせてルールを探している時期がありましたが、結果的に自分の満足いくパフォーマンスを出すものはシンプルなものでした。
これからもよろしくお願いします。
とても興味深い情報ありがとうございます。
テクニカル分析でトレンドラインをやっきになって探しまくってる私にとって
ともて心に残るものでした。
その通りですよね。
ただそれでも相場に共通するアノマリーを探し続けたいと思っています。
>流れ自体は水のようですが、ダムを作る人もいます
仕手の類ですか?
ダムがないなら自ら作るという発想なんですかね。
いいか悪いかは別として大衆を巻き込むことができるのならばそれは一つの収益モデルになりそうですね。
貴重なコメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
はじめまして。
とても面白い話ですね。
このところの動きは、昔の手法は余り通用しないようです。
それも直ぐ、動きが変わります。
流れ自体は水のようですが、ダムを作る人もいます。