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世界経済にも影響があるの?

アフガニスタンに部隊を派遣している北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)と国際治安支援部隊(ISAF)参加国の合同外相会議が4日、ブリュッセルのNATO本部で開かれ、25カ国から計7000人の増派表明があった。また、ISAFからアフガン側への治安維持権限の移譲を加速する方針でも合意した。

 ISAFにはNATO加盟国を中心に43カ国が参加。3万人の米軍追加派遣と合わせ、増派は全体で3万7000人となり、ISAFは現在の8万3000人から12万人に拡大する。米国は他国に計7000~1万人の増派を求めているとされ、要請は満たされる見通しとなった。

 NATO加盟国ではイタリア、英国などが増派の用意を表明しているが、仏独は慎重姿勢を崩していない。非加盟国ではグルジア、韓国などが派遣の方針で、ロシアもアフガン部隊の訓練や装備輸送で協力の用意を示している。クリントン米国務長官は4日の会議で欧州諸国などの増派表明を歓迎した。

 ラスムセンNATO事務総長は来年以降、アフガン軍・警察の訓練を強化するのと歩調を合わせ、条件が整った地区から順次、治安維持権限をアフガン側に引き渡すと宣言したが、早期撤退に対するアフガン側の懸念に応え、「撤退ではない。必要な限りアフガンにとどまる」と強調した。アフガン軍・警察は現在、計19万人。訓練要員が不足している。

 NATO加盟国外相は4日、モンテネグロに対し加盟の前段階にあたる「加盟行動計画」への参加を認めた。また、NATOとロシアの対話窓口である「NATOロシア理事会」の公式外相会合が開かれた。協力強化をうたった文書に署名する。

http://mainichi.jp/select/world/news/20091205ddm007030066000c.html より転載

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オバマ米大統領が新たなアフガニスタン戦略を発表した。

 その柱は《1》来年夏までに3万人の米兵を追加増派《2》アフガン治安部隊を育成し権限を移譲《3》2011年7月からの米軍撤退開始を目指す-の3点だ。

 アフガン駐留米軍は、オバマ政権の下で過去最大規模の約10万人となる。米国は北大西洋条約機構(NATO)諸国にも5千~1万人の増派を要請する方針だ。

 オバマ氏は演説で「国際テロ組織アルカイダは新たな攻撃をたくらんでいる」とし、米国と同盟国の安全を守るための増派に理解を求めた。

 最大の焦点は、泥沼化したアフガン戦争から抜け出す「出口」を示せるかどうかだった。

 オバマ氏は撤退開始時期を初めて明示した。だが、計画通りに進むかどうか極めて危うい状況と言える。

 アフガンへの攻撃開始以来、9年目に入ったが、9・11米中枢同時テロの首謀者とされるアルカイダの最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者らはいまだに捕捉できていない。

 新戦略で撤退の完了期日を示せなかったのは、「出口」への道筋が不透明だからにほかならない。

 増派の決断自体、疑問点が多い。

 駐留軍の死者は約1530人に達し、このうち約930人を米兵が占める。増派に伴う費用は1年で約300億ドル(約2兆6千億円)とされ、オバマ政権の足元を揺るがす。

 政権内に加え、NATO諸国でも増派に反対や慎重論が出ていた。

 現地では米軍の誤爆で市民が犠牲となり駐留軍への憎悪が募る。増派は反発をさらに広げる恐れがある。

 オバマ氏は「あなた方の国を占領するつもりはない」とアフガン国民に呼びかけ、将来は現地政府に治安維持を任せる考えを強調した。

 その前提となるのは、アフガン政権の統治能力の向上だ。だが、2期目の政権をスタートさせたカルザイ大統領は大統領選での不正発覚から、その正統性さえ疑われる。

 アフガン駐留米軍司令官を務めた経歴を持つアイケンベリー駐アフガニスタン大使は、政権の汚職体質を理由に、増派に反対していた。

 カルザイ政権が腐敗を一掃し、国民の信頼を確立できなければ、今回の新戦略は肝心の基盤さえも失うことになる。

 新戦略では反政府武装勢力タリバンの打倒を事実上断念し、攻撃対象をアルカイダに絞り込んだ。オバマ氏は「暴力を放棄するタリバンに門戸を開くアフガン政府を支持する」と対話を呼びかけてもいる。

 アフガンに平和の展望を開くため、民生支援を打ち出した日本も復興プロセスに積極的に参画したい。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/203379.htmlより抜粋
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