木下 晃伸さんのブログ
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【投資脳のつくり方】米、来年マイナス成長も
■いつもお読みいただき、ありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。
■20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落。
終値は前日比570円18銭(6.89%)安の7703円4銭と安値引け。
10月28日以来、約3週間ぶりに8000円を割り込んでいます。
年初来安値は140銘柄を超えました。
中でも、新安値を付けた銘柄は
三菱UFJや三井住友FG、野村、三井不や菱地所などの金融・不動産、
さらに、日産自やシャープ、ニコンといった外需、
とほぼ全てが売られた、という展開です。
■最近の外国人投資家は、日本株比率を上げるにも下げるにも
“日本株をパッケージにして買う”という発想で投資をします。
そのパッケージには、トヨタ自動車から任天堂、銀行、不動産、小売りまで
幅広い銘柄が入っているため、売る時は、パッケージ毎売る事で
全部が下がる、という事態が起こるわけです。
■日本株と連動性が高い米国株が、大統領選挙というお祭り騒ぎが終わり、
いよいよ景気悪化の現実を直視していかなければならなくなっています。
本日は、景気悪化局面を現実のものとするニュースを取り上げて
考えてみたいと思います。それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。
┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓
1.米、来年マイナス成長も
2.中国成長率8%割れも
3.最高益更新でも年初来最安値
http://www.terunobu-kinoshita.com/20081120-toushinou.pdf
──────────────────────────────────
1.米、来年マイナス成長も
(出所)2008年11月20日付日本経済新聞朝刊1面より
●世界経済を支えてきた米国のマイナス成長が起こす波動
●さらなる利下げはしばらく効果がない
●現金比率を高め用心する他ない
米連邦準備理事会(FRB)は19日、最新の米経済見通しを公表した。
金融危機の影響で景気が失速したと判断。
2009年の実質経済成長率の見通しをマイナス0.2―+1.1%と大幅に下方修正した。
深刻な景気後退(リセッション)とデフレ回避に向け、
FRBは追加利下げも視野に入れる。
欧州中央銀行(ECB)と協調利下げを実施する可能性も出てきた。
米国のマイナス成長は
国際通貨基金(IMF)や民間エコノミストが予測しているが、
米金融当局が認めたのは初めて。
また、欧州連合(EU)統計局は14日、
ユーロ圏15カ国の2008年7―9月期の域内総生産(GDP)が前期に比べ、
実質ベースで0.2%減になったと発表した。
年率換算では0.8%前後の減少で1999年の通貨統合以降、
初めての二期連続マイナス成長となり、
初の景気後退局面に入ったことが明らかになっている。
日本では2001年3月に量的緩和を導入、さらにゼロ金利政策を実行した。
その一方で、GDPはその後マイナス成長を続け、
結果として、ゼロ金利導入後に株価は大幅に下落した。
今回の株価はどうか。株価が景気悪化をすでに織り込み、
前回の安値をめざす、もしくは一時的に割るも、反発するということなのか。
それとも、日本のように大底を割り込み、
米ダウでいえば5000ドル、4000ドルをめざしてしまうのか。
当メールマガジンで何度か書いてきたように
クリスマス商戦は厳しい結果が予想される。
さらに、GM、フォードの破綻可能性など問題も噴出している。
可能性がないとは言い切れない、と多くの投資家が懸念している。
株価は気分で下落することもある。
ここは、さらにぐっと慎重に現金比率を高め、用心しておくことが必要だ。
2.中国成長率8%割れも
(出所)2008年11月20日付日本経済新聞朝刊6面より
●中国の成長率に翳り
●“成長率”に踊らされていないか?
●相対的な成長性にも注意を払いたい
中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員で、
著名な経済学者の樊綱氏は19日付の中国紙「中国証券報」のインタビューで
「中国経済はかつてない減速局面のまっただ中にある」と語った。
そのうえで「2009 年の成長率は8 %を下回る可能性があり、
下回らなければ上出来だ」との見通しを明らかにした。
中国共産党・政府は雇用確保に必要な成長率とされる「8%」の維持を目指して、
9日に総投資額4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な景気刺激策を打ち出した。
樊綱氏の発言は景気刺激策を実施しても、
来年は8%の達成が難しいことを示唆したものとして注目を集めている。
本日の中国上海総合指数は1.7%安となり、再び2000ポイントを割っている。
投資家は、日々悪化する経済を肌で実感し、さらに、
連日報道されるニュースに食傷気味となり、
株を見るのも嫌だ、という方も出てきているはず。
その中で、中国の成長は際立つものだ。
そして、雇用確保のためには、8%という目標が一人歩きしているが、
将来的に株価が再び大きく上昇する局面においては、
むしろ成長率は低下しているはず。
新興国から先進国に移行する場面では、成長率は漸減する。
一方で、国民の消費意欲が増すことで経済規模が拡大するステージに来る。
現在は、インフラ等の固定資産投資で伸び、工業化で伸びているのが中国。
しかし、急速に消費を含めた内需が盛り上がるときがやってくる。
実際、過去成長率がずっと高かった時期がある。
しかし、株価が上がったのは、それよりも“成長率が低下”したときだ。
成長率にあまり拘泥する必要は無いのではないか。
3.最高益更新でも年初来最安値
(出所)2008年11月20日付日経産業新聞20面より
●業績が好調でも株価が下がるのはよくあること
●その背景にあるのは何か?
●愚直に現場に眠るヒントを探し出す努力をする
三井不動産の株価は、現在の株式市場を考える上で大変興味深い。
同社の09年3月期決算は経常利益は6期、
純利益は4期連続で過去最高を更新する見通し。
にもかかわらず株価は年初来最安値を更新している。
足元では、金融機関の不動産に対する融資姿勢の厳格化に伴い、
不動産業界は軒並み株価が暴落している。中には倒産企業まで多数現れている。
しかし、三井不動産の株価は、底堅さを堅持していた。
しかし、9月15日の米リーマン・ブラザーズ破綻から、
株価は全体株価下落につられてしまった。
結果として年初来最安値を更新することになってしまった。
これは、株価が三井不動産の業績悪化を先読みをしているのか、それとも、
株価が下がることで消費者マインドが落ち、業績が現実に悪化していくのか、
鶏と卵の議論だが興味深いところだ。
つまり、前者であれば、株式投資のタイミングとしては、
どこまで業績が悪化するのかを予測すればいいことになる。
しかし、後者であればどこまで落ちるのか、現時点では判別がつかない。
結果として、落ちるところまで落ちる事になってしまう。
今、株式市場は、後者として三井不動産を捉えている。
それは、多くの企業に対して抱えている不安と同じ。
しかし、あるところまで行くと、底を打つ。
それは、取材で一つずつ予兆を捜していく他ない。
現場に眠るヒントを取材し続けていく事で、
投資タイミングを見いだしたいと考えている。
────────────────────────────────────
■編集後記
────────────────────────────────────
苦しい相場展開とは裏腹に、今日の東京は雲一つない晴れ間が広がりました。
株式市場にはいつ晴れ間が来るのか。
土砂降りが続く世界の株式市場を考えると、
その差は歴然としていることを感じずにはいられません。
しかし、土砂降りは、少し雨が弱まり、薄明かりが差し始めると、
まったく違った景色になります。
来年初までの土砂降りの後、雨が弱まるタイミングがやってくると思います。
それまでは辛抱です。
─────────────────────────────────────
◆木下氏の情報をチェック!
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●個別銘柄をより深く知りたい方にはこちら
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●9月25日(木)に執筆と監修を務めました「アジア株二季報」
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●雑誌掲載はこちらです。さらに詳細を知りたい方は書店でのぞいてみてください。
http://www.terunobu-kinoshita.com/20080929-kiji.pdf
経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。
■20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落。
終値は前日比570円18銭(6.89%)安の7703円4銭と安値引け。
10月28日以来、約3週間ぶりに8000円を割り込んでいます。
年初来安値は140銘柄を超えました。
中でも、新安値を付けた銘柄は
三菱UFJや三井住友FG、野村、三井不や菱地所などの金融・不動産、
さらに、日産自やシャープ、ニコンといった外需、
とほぼ全てが売られた、という展開です。
■最近の外国人投資家は、日本株比率を上げるにも下げるにも
“日本株をパッケージにして買う”という発想で投資をします。
そのパッケージには、トヨタ自動車から任天堂、銀行、不動産、小売りまで
幅広い銘柄が入っているため、売る時は、パッケージ毎売る事で
全部が下がる、という事態が起こるわけです。
■日本株と連動性が高い米国株が、大統領選挙というお祭り騒ぎが終わり、
いよいよ景気悪化の現実を直視していかなければならなくなっています。
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1.米、来年マイナス成長も
2.中国成長率8%割れも
3.最高益更新でも年初来最安値
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1.米、来年マイナス成長も
(出所)2008年11月20日付日本経済新聞朝刊1面より
●世界経済を支えてきた米国のマイナス成長が起こす波動
●さらなる利下げはしばらく効果がない
●現金比率を高め用心する他ない
米連邦準備理事会(FRB)は19日、最新の米経済見通しを公表した。
金融危機の影響で景気が失速したと判断。
2009年の実質経済成長率の見通しをマイナス0.2―+1.1%と大幅に下方修正した。
深刻な景気後退(リセッション)とデフレ回避に向け、
FRBは追加利下げも視野に入れる。
欧州中央銀行(ECB)と協調利下げを実施する可能性も出てきた。
米国のマイナス成長は
国際通貨基金(IMF)や民間エコノミストが予測しているが、
米金融当局が認めたのは初めて。
また、欧州連合(EU)統計局は14日、
ユーロ圏15カ国の2008年7―9月期の域内総生産(GDP)が前期に比べ、
実質ベースで0.2%減になったと発表した。
年率換算では0.8%前後の減少で1999年の通貨統合以降、
初めての二期連続マイナス成長となり、
初の景気後退局面に入ったことが明らかになっている。
日本では2001年3月に量的緩和を導入、さらにゼロ金利政策を実行した。
その一方で、GDPはその後マイナス成長を続け、
結果として、ゼロ金利導入後に株価は大幅に下落した。
今回の株価はどうか。株価が景気悪化をすでに織り込み、
前回の安値をめざす、もしくは一時的に割るも、反発するということなのか。
それとも、日本のように大底を割り込み、
米ダウでいえば5000ドル、4000ドルをめざしてしまうのか。
当メールマガジンで何度か書いてきたように
クリスマス商戦は厳しい結果が予想される。
さらに、GM、フォードの破綻可能性など問題も噴出している。
可能性がないとは言い切れない、と多くの投資家が懸念している。
株価は気分で下落することもある。
ここは、さらにぐっと慎重に現金比率を高め、用心しておくことが必要だ。
2.中国成長率8%割れも
(出所)2008年11月20日付日本経済新聞朝刊6面より
●中国の成長率に翳り
●“成長率”に踊らされていないか?
●相対的な成長性にも注意を払いたい
中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員で、
著名な経済学者の樊綱氏は19日付の中国紙「中国証券報」のインタビューで
「中国経済はかつてない減速局面のまっただ中にある」と語った。
そのうえで「2009 年の成長率は8 %を下回る可能性があり、
下回らなければ上出来だ」との見通しを明らかにした。
中国共産党・政府は雇用確保に必要な成長率とされる「8%」の維持を目指して、
9日に総投資額4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な景気刺激策を打ち出した。
樊綱氏の発言は景気刺激策を実施しても、
来年は8%の達成が難しいことを示唆したものとして注目を集めている。
本日の中国上海総合指数は1.7%安となり、再び2000ポイントを割っている。
投資家は、日々悪化する経済を肌で実感し、さらに、
連日報道されるニュースに食傷気味となり、
株を見るのも嫌だ、という方も出てきているはず。
その中で、中国の成長は際立つものだ。
そして、雇用確保のためには、8%という目標が一人歩きしているが、
将来的に株価が再び大きく上昇する局面においては、
むしろ成長率は低下しているはず。
新興国から先進国に移行する場面では、成長率は漸減する。
一方で、国民の消費意欲が増すことで経済規模が拡大するステージに来る。
現在は、インフラ等の固定資産投資で伸び、工業化で伸びているのが中国。
しかし、急速に消費を含めた内需が盛り上がるときがやってくる。
実際、過去成長率がずっと高かった時期がある。
しかし、株価が上がったのは、それよりも“成長率が低下”したときだ。
成長率にあまり拘泥する必要は無いのではないか。
3.最高益更新でも年初来最安値
(出所)2008年11月20日付日経産業新聞20面より
●業績が好調でも株価が下がるのはよくあること
●その背景にあるのは何か?
●愚直に現場に眠るヒントを探し出す努力をする
三井不動産の株価は、現在の株式市場を考える上で大変興味深い。
同社の09年3月期決算は経常利益は6期、
純利益は4期連続で過去最高を更新する見通し。
にもかかわらず株価は年初来最安値を更新している。
足元では、金融機関の不動産に対する融資姿勢の厳格化に伴い、
不動産業界は軒並み株価が暴落している。中には倒産企業まで多数現れている。
しかし、三井不動産の株価は、底堅さを堅持していた。
しかし、9月15日の米リーマン・ブラザーズ破綻から、
株価は全体株価下落につられてしまった。
結果として年初来最安値を更新することになってしまった。
これは、株価が三井不動産の業績悪化を先読みをしているのか、それとも、
株価が下がることで消費者マインドが落ち、業績が現実に悪化していくのか、
鶏と卵の議論だが興味深いところだ。
つまり、前者であれば、株式投資のタイミングとしては、
どこまで業績が悪化するのかを予測すればいいことになる。
しかし、後者であればどこまで落ちるのか、現時点では判別がつかない。
結果として、落ちるところまで落ちる事になってしまう。
今、株式市場は、後者として三井不動産を捉えている。
それは、多くの企業に対して抱えている不安と同じ。
しかし、あるところまで行くと、底を打つ。
それは、取材で一つずつ予兆を捜していく他ない。
現場に眠るヒントを取材し続けていく事で、
投資タイミングを見いだしたいと考えている。
────────────────────────────────────
■編集後記
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苦しい相場展開とは裏腹に、今日の東京は雲一つない晴れ間が広がりました。
株式市場にはいつ晴れ間が来るのか。
土砂降りが続く世界の株式市場を考えると、
その差は歴然としていることを感じずにはいられません。
しかし、土砂降りは、少し雨が弱まり、薄明かりが差し始めると、
まったく違った景色になります。
来年初までの土砂降りの後、雨が弱まるタイミングがやってくると思います。
それまでは辛抱です。
─────────────────────────────────────
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(まぐまぐ)http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/50/P0005007.html
(フィスコ)http://fisco.jp/report/mail/terunobu-kinoshita.html
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●9月2日(火)には、新刊「儲かる会社はこうして作れ!」(講談社刊)
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