東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1400を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、鉱業と石油石炭を除く31業種が上昇。電気ガス、空運、陸運、証券商品先物の上昇が目立っていた、指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、中外薬<4519>、KDDI<9433>が堅調だった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、ディスコ<6146>が軟調だった。
地政学リスクへの懸念から前週末に急落した反動に加え、この週末に新たな軍事攻撃に関する報道がなく、中東情勢の緊迫化への懸念が幾分和らいだこともプラスに働き、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。銀行や商社、電力ガスなどのバリュー株中心に買い戻しの動きが強まった。一方、米国市場をけん引するエヌビディアなどマグニフィセント7の決算が今週から始まるのを前に、前週末の米国市場では、エヌビディア株が急落するなど半導体関連株が下落したため、東京市場で半導体関連株などグロース株に値を消す銘柄が目立ち、日経平均も一時15円安とマイナスに転じる場面もあった。
日経平均はひとまず反発したが、先行き懸念は拭えてない。地政学リスクについては、イスラエルは22日から29日までユダヤ教の祭日の一つ「過ぎ越しの祭り」に入っているため、追加の攻撃はないと考えられるだけに、祭り明けの動きには引き続き警戒が必要だろう。また、今週からは主要企業の決算発表が始まり、投資家の関心は、企業業績に向かう。先行きの業績予想がコンセンサスを上回る良好なものなのか、それとも市場予想に届かず、失望感が強まるのか見定めたいところだ。
<CS>
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