個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で16.1%高、フリー<4478>が同24.4%高、JTOWER<4485>が同29.7%高と大きく上昇。JTOWERはNTT東日本からの通信鉄塔取得を発表している。売買代金上位でもFRONTEO<2158>やサイエンスアーツ<4412>が買われ、決算が好感された2月上場のエッジテクノロジー<4268>は大幅高。また、グローバルウェイ<3936>の株価は1週間で2倍超となった。一方、ビジョナル<4194>は同0.4%安。発表された決算の内容そのものは良好との見方があったが、材料出尽くし感などから売りが出たようだ。また、決算がネガティブ視されたプレミアアンチエイジング<4934>やAB&Company<9251>は週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力も日本マクドナルドHD<2702>が同3.9%高となるなど全般堅調。東映アニメーション<4816>は同9.4%高、ウエストHD<1407>は同10.0%高となり、売買代金上位ではフェローテックHD<6890>が大幅に上昇した。また、業績上方修正や増配を発表したセレスポ<9625>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、スリー・ディー・マトリックス<7777>などが下落率上位に顔を出した。IPOでは、東証2部上場の守谷輸送機工業<6226>が公開価格をやや上回る初値を付けた。
来週の新興市場では、目先マザーズ指数のリバウンドが続くものとみられる。株価調整の進んでいたグロース株の戻りは大きく、マザーズでも今週末にかけて売買代金が増え、資金が流入してきた印象を受ける。もっとも、FOMC結果については今回3月会合を含め年内7回の利上げ見通しが示されるなど、タカ派的な内容だったと受け止められている。米ハイテク株の上昇は積み上がっていた売り持ちの解消によるものとの見立てが妥当だろう。当欄でもFOMC前後での短期的なリバーサル(株価の反転)を想定していたが、その「賞味期限」を探りながら取り組む必要がありそうだ。
メルカリ、フリー、JTOWERのように先行投資段階で赤字ないし高PERの新興企業株は金融引き締め観測で最も売られたグループのため、足元のリバウンドに乗りやすいと考えられる。鉄塔取得が成長ドライバーとして注目されるJTOWERのほか、やはり赤字段階ながら実態面で市場評価の高いAppier Group<4180>などの動向にも注目したい。
IPO関連では、3月23日にTORICO<7138>がマザーズへ新規上場する。コミックのEC(電子商取引)販売やデジタルコミックの配信などを手掛けるが、公開規模が非常に小さく、需給のタイト化が見込まれる。なお、今週はインフォメティス<5030>(4月25日、グロース)など3社の新規上場が発表されている。
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