丸運<9067>は、老舗の運送会社で、JXTGHDの関係会社である。事業所は91ヶ所、保有車両台数は1,873台、連結子会社は18社を数える。運送会社は親しみやすいキャラクターがあるのが一般的だが、同社のアイドルマークは「のらくろ」だ。
全国津々浦々に運送、保管などの拠点をネットワークとして張り巡らせているが、国内のみならず国際貨物事業として海外にも拠点を有している。丸運国際貨運代理(上海)有限公司、丸運安科迅物流(常州)有限公司、丸運物流(天津)有限公司と中国に3つの現地法人(5拠点)を有し、2017年8月に有限会社丸運物流ベトナムを現地法人化した。
セグメント別で見ると、この上半期の実績で最も大きいのは貨物輸送の47.3%であるが、JXTG系であることから、石油輸送が24.8%、潤滑油・化成品が10.7%と石油に関係するビジネスの構成比も高いのが特徴。そのほか、15.8%の国際貨物、1.4%の流通貨物の5つのセグメントで構成されている。
石油関連の輸送の取扱いも多いことから、石油業界の再編による影響を受ける一方、運送業界においてもドライバー不足などの問題が浮上しており、それらにいかに対応していくかが当面の課題だ。
2019年3月期第2四半期累計(4月−9月)決算は、営業収益が前年同期比4.2%増の24,913百万円、営業利益は同32.5%増の469百万円となった。地震や豪雨など自然災害の影響が大きかったものの、昨今進めている価格改定が浸透したことが背景にある。2018年3月期の通期予想は、営業収益が前期比4.1%増の51,900百万円、営業利益が同9.8%増の1,300百万円と増収増益を確保する見通し。配当金は年8円を継続する予定だ。
中長期的な目標としては、中期経営計画を進めているほか、向こう10年についての長期的なあり方を示す 「丸運グループ長期経営ビジョン」を策定。そこでは、今後10年間に毎年2%以上の成長を続けることを目標に掲げている。
■Key Points
・石油輸送にも強みがある老舗の総合物流会社
・自然災害の影響受けるが、下半期以降は上向く
・「丸運グループ長期経営ビジョン」と「丸運イノベーション」を進行
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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