個別では、第1四半期決算発表とともに通期予想を上方修正したAI inside<4488>が週間で25.7%高。JMDC<4483>も週末にかけて決算を好感した買いが入り、同2.0%高となった。厚生労働省のワクチン整備事業に採択されたアンジェス<4563>は同4.0%高。売買代金上位では直近上場のモダリス<4883>、バイオ関連のリボミック<4591>などが買われ、ログリー<6579>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、前の週にマザーズ指数の上昇をけん引したメルカリ<4385>は同5.9%安。フリー<4478>が同1.9%安となるなど、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業もやや軟調だった。また、ロジザード<4391>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力はワークマン<7564>が同2.0%安、日本マクドナルドHD<2702>が同2.3%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同6.6%安と、決算を受けて高安まちまち。売買代金上位ではテラ<2191>や出前館<2484>が買い優勢で、ディーエムソリューションズ<6549>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、豊商事<8747>などが下落率上位に顔を出した。IPOでは、ティアンドエス<4055>が上場2日目に公開価格の約2.5倍となる初値を付け、その後も賑わいを見せた。
来週の新興市場では、マザーズ指数が底堅く推移しそうだ。引き続きバリュー(割安)株の見直し局面で売られたり、6月高値(1067.29pt、取引時間中)接近で利益確定の動きが出たりもするだろう。ただ、決算発表が一巡し、短期の値幅取りを狙った物色は再び中小型株に向かいやすくなる。今回の決算では「ウィズコロナ」「アフターコロナ」下での新興企業の躍進を感じさせるものが少なくなく、成長期待の一段の高まりが株価を押し上げそうだ。
人工知能(AI)搭載の光学式文字読み取り(OCR)サービスを展開するAI insideなどは好例だろう。また、今週末に決算発表したネットショップ作成支援のBASE<4477>は、4-6月期の売上高が前年同期の約2.8倍に急拡大した。これまでに株価は大きく上昇しているが、実態は期待どおりか、それ以上とも言えそうだ。なお、来週は8月17日に総医研HD<2385>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、8月20日にニューラルポケット<4056>がマザーズへ新規上場する。同社はAIサービスの創出に取り組んでおり、人気の投資テーマに乗ることから期待が高まっているようだ。ティアンドエスの賑わいなども追い風として働くと考えられる。なお、今週は雪国まいたけ<1375>(9月17日、東証1部または2部)の再上場が発表されている。2015年以来、5年ぶりとなる。
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