■株式見通し:値動きの軽い材料株等へ個人主体の資金がシフトしやすい
■三菱自、 1Q営業損益 赤字転換▲533億円、概ね想定内
■前場の注目材料:三菱電、協働ロボ攻勢、国内外拠点にデモ機数十台
■値動きの軽い材料株等へ個人主体の資金がシフトしやすい
28日の日本株市場は底堅さが意識されるものの、積極的な売買は手控えられそうである。27日の米国市場では、ダウ、ナスダックともに上昇。アリゾナやフロリダ州でのウイルス感染ペースが鈍化したほか、製薬会社モデルナが最終段階の治験を開始することを明らかにし、期待感から上昇して寄り付いた。政府の追加財政策への期待やハイテク株も今週の決算を控えて買いが広がり、終日堅調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円安の22665円。円相場は1ドル105円30銭台と円高に振れて推移している。
米ハイテク株の上昇は安心感につながりそうだが、本格化する決算を前にこう着感が強まりやすいところである。昨日の日経平均は連休中の米国市場の下落影響から大幅に下げるとみられていたが、売り一巡後はじりじりと下げ幅を縮めていたこともあり、ある程度は週明けの米国市場の上昇は織り込まれているだろう。ただし、25日線が支持線として機能していることもあり、売り込みづらくさせそうでもある。
また、商品市況の上昇を背景にCTAに絡んだ資金流入も意識されやすく、全体としては底堅さが意識されやすいところ。とはいえ、決算を前に機関投資家などは動きづらく、次第に値動きの軽い材料株等へ個人主体の資金がシフトしやすい。昨日の引け後に決算を発表したところでは、マクニカ富士<3132>、日東電<6988>、コーエーテクモ<3635>などに短期筋の資金が向かいやすそうである。そのほか、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響から関連する銘柄へは循環的な物色が意識されやすい。
また、直近IPOは足元で調整が続いていることもあり、そろそろ値ごろ感からの自律反発狙いの動きも出てきそうである。なお、JPX<8697>は本日、ソニーFH<8729>に替わり日経平均採用による需給イベントが発生する。変更自体こそサプライズ感はなかったが、JPXには改めて買い需要を意識した値動きが材料視されやすいだろう。日経平均がこう着ながらも底堅さが意識されることにより、物色意欲は後退せず、材料株での値幅取りが活発になろう。
■三菱自、 1Q営業損益 赤字転換▲533億円、概ね想定内
三菱自<7211>が発表した第1四半期業績は、売上高が前年同期比57.2%減の2295.45億円、営業損益は533.41億円の赤字(前年同期は38.57億円の黒字)だった。今期の売上高は前期比35%減の1兆4800億円、営業損益は1400億円の赤字(前期は127億円の黒字)の見込み。世界販売は25%減の84万5千台となる計画。新型コロナの影響で主力の東南アジアや北米、欧州などで軒並み販売が落ち込む。コンセンサスを下回るが概ね想定内であろう。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(26584.77、+114.88)
・ナスダック総合指数は上昇(10536.27、+173.09)
・SOX指数は上昇(2104.62、+65.91)
・VIX指数は低下(24.74、-1.10)
・米原油先物は上昇(41.60、+0.31)
・日銀のETF購入
・米景気刺激策への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展
・三菱電<6503>協働ロボ攻勢、国内外拠点にデモ機数十台
・第一三共<4568>アストラゼネカとADC抗がん剤で提携
・OSG<6136>エフ・ピー・ツール買収、精密工具の提案力向上
・ミネベアミツミ<6479>欧・北米にベッドセンサー投入、介護施設用
・NEC<6701>ロボ自動ティーチング、AIで作業手順最適化
・NTTデータ<9613>OCRとRPA連携、自治体業務を自動化
・フジクラ<5803>冷却部品が「富岳」に採用
・AGC<5201>フォトマスクブランクス生産能力倍増、EUV露光用
・帝人<3401>日立と新素材で協業、開発スピード向上
☆前場のイベントスケジュール
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