日経平均は続落、半導体株続落で39000円を割り込む
16日の米国株式市場は反発。ダウ平均は337.28ドル高の43077.70ドル、ナスダックは51.49ポイント高の18367.08で取引を終了した。半導体セクターへの懸念がくすぶり、寄り付き後、下落。その後は、航空会社、金融の好決算を好感した買いや半導体エヌビディアが買われ、投資家心理の改善を受けて上昇に転じた。ソフトランディング期待も手伝いダウは一段高。長期金利の低下も支援し、ナスダックも底堅く推移し、終盤にかけ相場は上げ幅を拡大した。
米株の反発を受けて、東京市場はやや買い優勢で取引を開始した。日経平均は小幅反発でスタートしたが、すぐに上げ幅を縮小し前日終値水準でのもみ合いに。米株市場では、中国向け需要の減速懸念から半導体製造装置のアプライドマテリアルズやラム・リサーチなどが引き続き売られたことが影響し、値がさ半導体株が下落。日経平均は39000円を割り込んでの推移となった。ただ、プライム市場の売買代金は1.7兆円ほどに留まっており、売り圧力はさほど強まっていない様子。
日経平均採用銘柄では、米半導体株安が影響し、東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>、ソシオネクスト<6526>、ディスコ<6146>など半導体関連銘柄が下落したほか、前日しっかりだったアドバンテスト<6857>も売られた。また、フジクラ<5803>、古河電工<5801>など電線関連も弱い。このほか、ZOZO<3092>、HOYA<7741>、キーエンス<6861>、TDK<6762>、レゾナック<4004>がさえない。
一方、米銀行の好決算を材料に、千葉銀行<8331>、野村<8604>、三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>、しずおかFG<5831>など金融株が上昇した。また、原子力規制委が50年超の原発運転を認可したことで中部電力<9502>、関西電力<9503>、東京電力HD<9501>など電力株が強い。このほか、SUBARU<7270>、日産自<7201>、トヨタ自<7203>、日野自<7205>など自動車株も総じて買われた。
業種別では、精密機器、電気機器、化学、小売業、金属製品などが下落した一方、電気・ガス業、銀行、空運、証券・商品先物取引、ゴム製品などが上昇した。
ランチタイムのアジア市場は、中国当局が発表した不動産政策が市場の期待に届かなかったとの見方が強まっており、上海総合指数が一時前日比マイナス圏に突入するなど動きは引き続き慌ただしい。後場の東京市場は引き続きアジア株や為替市場を睨んだ展開となりそうだが、今晩の海外時間では、欧州中央銀行(ECB)理事会による政策金利発表を控えている。市場コンセンサスは0.25%の引き下げが見込まれており、足元のフランス・ドイツ経済に対するECBの見解などに関心が向かっている。リスク回避の円買いの流れはさほど強まっていないが、後場の為替市場は円が主要通貨に対して強含む可能性があるので注意したい。
<AK>
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