日経平均は3日続落、選挙後の政局不安で買いは手控え
22日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は6.71ドル安の42924.89ドル、ナスダックは33.12ポイント高の18573.13で取引を終了した。積極的な利下げ期待の後退で売りが継続し、寄り付き後、下落。良好な経済指標や国際通貨基金(IMF)による国内経済の成長見通し引き上げを受けソフトランディング期待を受けた買いが支え相場は上昇に転じた。ダウは終盤にかけ、金利の上昇を嫌気した売りに押され、小幅安、ナスダックはハイテクへの期待に底堅く推移しプラス圏を維持し、まちまちで終了。
米国株が高安まちまちだったことから、東京市場は小動きで取引を開始。日経平均は前日終値水準でスタートした後は方向感に乏しく38400円を挟んだもみ合いとなった。市場の関心は、本日プライム市場に上場した東京地下鉄<9023>に向かっており、プライム市場の売買代金は1.8兆円に留まった。なお、東京地下鉄は買い優勢の地合いとなり、前場の売買代金は2000億円を超え、時価総額は1兆円台に乗せた。
日経平均採用銘柄では、ニチレイ<2871>、ニトリホールディングス<9843>、ニッスイ<1332>など円高メリット銘柄の一角が下落したほか、TOTO<5332>、ディスコ<6146>が引き続き弱い。このほか、昨日買われた川崎汽船<9107>、日本郵船<9101>など海運株は反落した。また、大和証G<8601>、みずほ<8411>、しずおかFG<5831>、三井住友<8316>など金融株も売られた。
一方、エフィッシモの大量保有で思惑買いが先行しコニカミノルタ<4902>が大幅高となった。円安進行や米自動車大手GMの好決算などが材料視されて、SUBARU<7270>、トヨタ自<7203>、ホンダ<7267>、三菱自<7211>、日産自<7201>など自動車株のほか、デンソー<6902>、ジェイテクト<6473>など自動車部品企業も上昇。このほか、東京建物<8804>、三菱地所<8802>、東急不HD<3289>など不動産株も買われた。
業種別では、サービス、海運、銀行、証券・商品先物取引、小売などが下落した一方、輸送用機器、不動産、ゴム製品、食料品、鉱業などが上昇した。
為替は1ドル151円60銭台とドル高円安が加速しているが、円安を材料とした活発な日本株買いは鳴りを潜めており、衆議院選挙後の政局不安が重しとなっている様子。選挙戦は終盤を迎えているが、自民党、公明党の苦戦が相次いで聞こえていることから、「選挙は買い」のアノマリーは消し飛んでいる。積極的な買い手不在のなか、日経平均はじりじりと下げ幅を広げる可能性もある。後場一段安の展開には警戒したい。
<AK>
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