日経平均は大幅反発、円安加速を材料に輸出関連銘柄が上昇
2日の米国株式市場は反発。ダウ平均は39.55ドル高(+0.09%)の42196.52ドル、ナスダックは14.77ポイント高(+0.08%)の17925.13、S&P500は0.79ポイント高(+0.01%)の5709.54で取引を終了した。イスラエルがイランのミサイル攻撃に対する厳しい報復を警告し地政学的リスクの上昇が警戒されたほか、強い雇用関連指標を受けた積極的な利下げ期待後退で、寄り付き後、下落。同時に、景気や雇用見通し改善で、ダウは上昇に転じた。半導体セクターが支援し、ナスダックも底堅く推移し終了。
為替の円安ドル高加速を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。自動車株や半導体株などが買われたことで、日経平均はほぼ前日の下げ分(843.21円)を取り戻す動きを見せたが、225先物の短期売買が中心との声も聞かれ、日本株の方向感は読みにくい。香港株の大幅反落や中東情勢の緊迫化などが重しとなり、9月30日以来の39000円台回復とはならなかった。
日経平均採用銘柄では、前日売り優勢だったTDK<6762>、太陽誘電<6976>が大幅反発となったほか、マツダ<7261>、SUBARU<7270>など自動車株も買われた。スクリーンHD<7735>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、東京エレクトロン<8035>など半導体株も上昇。このほか、ディスコ<6146>、住友ファーマ<4506>、東京海上<8766>、エムスリー<2413>などが買われた。
一方、早期の追加利上げ観測が後退したことから、りそなHD<8308>、みずほ<8411>、ふくおか<8354>、三井住友<8316>、コンコルディア<7186>など銀行株が総じて下落したほか、円高メリット銘柄のニトリHD<9843>もさえない。このほか、川崎重<7012>、IHI<7013>、三菱重<7011>、日本製鋼所<5631>など防衛関連銘柄が売り優勢となった。
業種別では、保険業、海運業、医薬品、不動産業、輸送用機器などが上昇した一方、銀行業、空運業の2セクターのみ下落した。
日銀の野口旭審議委員は、長崎県金融経済懇談会にて「賃金上昇の浸透による経済状況の改善をデータに基づいて、より慎重に見極める必要があるため7月追加利上げに反対した」と述べた。また、「物価2%近辺で安定しつつあることを見極め、金融緩和を徐々に調整していく。緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要だ」とハト派な発言を行ったが、野口審議委員が「ハト派」な姿勢を示すのは想定通りだったことから、為替への影響は限定的となった。
足元急騰していた香港ハンセン指数が前日比3%安の水準で推移していることから、後場の東京市場は上値がやや重くなりそうだ。中国関連銘柄が買われていないことから影響は限定との声もあるが、1ドル146円80銭水準と円安ドル高加速も一服していることで、日経平均の後場一段高は難しいと考える。
<AK>
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