■日経平均は2週ぶり上げに転じる
前週の日経平均は薄商いの中で上昇した。週間ベースでは2週ぶりに上げに転じた。米中が貿易協議での第1段階の合意について来年にも署名に至るとの期待感から、23日の日経平均は4日ぶりに小幅に反発した。ただし、海外投資家を中心に取引参加者が減り、積極的に上値を追う動きは限定的であった。個別では、がん治療薬が米当局の販売承認を取得したと発表した第一三共<4568>の上昇が目立った。23日のNYダウは、中国政府が来年1月1日から、冷凍豚肉や医薬品、紙製品、一部のハイテク部品などの輸入関税引き下げると発表し3日続伸となった。この流れを受けて、24日の日経平均も小幅続伸したが、日中の上下の値幅は57円ほどに留まった。個別ではZHDと経営統合で最終合意し、株式公開買付け(TOB)の価格にサヤ寄せする展開となったLINE<3938>の上昇が話題に。クリスマス・イブで午後1時までの短縮取引となったNYダウは4日ぶりに反落し、25日の日経平均も3日ぶりに反落した。日経平均がこの日の安値で取引を終えるなか、日中の上下の値幅は42円ほどと小動きだった。東証1部の売買高は7億7659万株、売買代金は1兆992億円と連日で今年最低を記録した。副最高執行責任者(COO)の退任が発表された日産自<7201>が3%の下落となった。25日の米国市場がクリスマスの祝日で休場となるなか、26日の日経平均は反発した。12月期末配当金の再投資に絡んだ買いを期待した先物売買がみられたなか、ハイテク株への買いが目立った。26日の米国市場は、中国が来年1月に予定している貿易合意の署名に関して、米国と緊密に連携しているとの発表を受けて買いが先行。この流れを受けて27日の日経平均は小高く始まったものの、寄付き後に失速。年末年始を控えて市場参加者が一段と減少しているとみられ、積極的な買いは手控えられた。大引けの日経平均は前日比87.20円安の23837.72円と反落した。個別では、決算とともにパルコ<8251>の完全子会社化を発表したJフロント<3086>が5%を超える上昇となった。
■米大統領線と東京五輪
今週の大納会および年明けの日経平均は堅調な展開が予想される。30日の大納会を波乱無く通過すれば、日経平均は12月に月間ベースで4カ月連続、年間では2年ぶりの上昇に転じることとなる。年明け1月上旬にも米中が貿易協議での第1段階の合意について、署名に至るとの期待がNYダウの上昇を支えている。為替相場も小康状態が続くなか、12月の権利落ち、実質新年相場となった27日は、市場参加者の減少から日経平均は膠着感が強い展開が継続したものの、前場段階で東証1部銘柄の7割弱が値上がりし、セクター別でも33業種中28業種が上昇と、市場のムードは暗くなかった。また、2020年は米大統領選など波乱要因を抱えているが、少なくとも年初は米中の貿易合意などを背景に上昇相場への期待が高まることになる。また、日本国内も東京オリンピック、パラリンピックの開催を控えてお祭りムードが先行しそうだ。海外情勢に大きなアクシデントがなければ、新年相場という季節習性から堅調な始まりとなりそうだ。年明けには、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、8日に米12月ADP雇用統計と相場に影響を与える米国の経済指標の発表が控えているが、現状で波乱の芽は見られない。1月9日のファーストリテイリング<9983>の第1四半期、安川電機<6506>の第3四半期の決算発表に関心が向き、地合いを左右しそうだ。
■消費・外食関連と小型株に注目
物色的には、ファーストリテイリングの決算のほか、消費・外食関連の決算も注目される。昨年来高値更新中の吉野家ホールディングス<9861>は10日に第3四半期決算を発表する。予想を上回る販売の好調から年末年始にかけ、店舗によって「オリジナルチキン」が完売する可能性があることを日本KFC<9873>が発表するなど明るいニュースも伝えられている。このほか、27日にかけて日経ジャスダック平均とマザーズ指数が4日続伸している。IPOの初値形成には相場的な過熱感がみられたものの、1月はIPOの予定がないことから直近IPO銘柄を含めた小型株の循環物色が展開されそうだ。また、米2019年12月の雇用統計が1月10日に発表される。11日から13日にかけて3連休となることもあり、週後半は模様眺めムードが台頭しやすくなるだろう。
■大納会・大発会、米12月雇用統計など
年末から1月10日までの主な国内経済関連スケジュールは、30日に大納会(東京市場は31日から1月5日まで休場)、元旦に日米貿易協定と日米デジタル貿易協定が発効、6日に大発会、7日に12月マネタリーベース、8日に11月毎月勤労統計調査、9日にファーストリテイリング<9983>、安川電機<6506>、7&iHD<3382>など決算発表、12月国内ユニクロ売上推移速報、10日に11月景気先行・一致指数(CI)・速報値、11月全世帯家計調査・消費支出、良品計画<7453>、吉野家HD<9861>など決算発表が予定されている。一方、米国など海外の主要スケジュールは、元旦は米国・英国を始め主要国市場は休場、3日に米12月ISM製造業景況指数、FOMC議事録(12月10日・11日開催分)、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、米11月製造業新規受注、8日に米12月ADP雇用統計、10日に米12月雇用統計が予定されている。
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前週の日経平均は薄商いの中で上昇した。週間ベースでは2週ぶりに上げに転じた。米中が貿易協議での第1段階の合意について来年にも署名に至るとの期待感から、23日の日経平均は4日ぶりに小幅に反発した。ただし、海外投資家を中心に取引参加者が減り、積極的に上値を追う動きは限定的であった。個別では、がん治療薬が米当局の販売承認を取得したと発表した第一三共<4568>の上昇が目立った。23日のNYダウは、中国政府が来年1月1日から、冷凍豚肉や医薬品、紙製品、一部のハイテク部品などの輸入関税引き下げると発表し3日続伸となった。この流れを受けて、24日の日経平均も小幅続伸したが、日中の上下の値幅は57円ほどに留まった。個別ではZHDと経営統合で最終合意し、株式公開買付け(TOB)の価格にサヤ寄せする展開となったLINE<3938>の上昇が話題に。クリスマス・イブで午後1時までの短縮取引となったNYダウは4日ぶりに反落し、25日の日経平均も3日ぶりに反落した。日経平均がこの日の安値で取引を終えるなか、日中の上下の値幅は42円ほどと小動きだった。東証1部の売買高は7億7659万株、売買代金は1兆992億円と連日で今年最低を記録した。副最高執行責任者(COO)の退任が発表された日産自<7201>が3%の下落となった。25日の米国市場がクリスマスの祝日で休場となるなか、26日の日経平均は反発した。12月期末配当金の再投資に絡んだ買いを期待した先物売買がみられたなか、ハイテク株への買いが目立った。26日の米国市場は、中国が来年1月に予定している貿易合意の署名に関して、米国と緊密に連携しているとの発表を受けて買いが先行。この流れを受けて27日の日経平均は小高く始まったものの、寄付き後に失速。年末年始を控えて市場参加者が一段と減少しているとみられ、積極的な買いは手控えられた。大引けの日経平均は前日比87.20円安の23837.72円と反落した。個別では、決算とともにパルコ<8251>の完全子会社化を発表したJフロント<3086>が5%を超える上昇となった。
■米大統領線と東京五輪
今週の大納会および年明けの日経平均は堅調な展開が予想される。30日の大納会を波乱無く通過すれば、日経平均は12月に月間ベースで4カ月連続、年間では2年ぶりの上昇に転じることとなる。年明け1月上旬にも米中が貿易協議での第1段階の合意について、署名に至るとの期待がNYダウの上昇を支えている。為替相場も小康状態が続くなか、12月の権利落ち、実質新年相場となった27日は、市場参加者の減少から日経平均は膠着感が強い展開が継続したものの、前場段階で東証1部銘柄の7割弱が値上がりし、セクター別でも33業種中28業種が上昇と、市場のムードは暗くなかった。また、2020年は米大統領選など波乱要因を抱えているが、少なくとも年初は米中の貿易合意などを背景に上昇相場への期待が高まることになる。また、日本国内も東京オリンピック、パラリンピックの開催を控えてお祭りムードが先行しそうだ。海外情勢に大きなアクシデントがなければ、新年相場という季節習性から堅調な始まりとなりそうだ。年明けには、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、8日に米12月ADP雇用統計と相場に影響を与える米国の経済指標の発表が控えているが、現状で波乱の芽は見られない。1月9日のファーストリテイリング<9983>の第1四半期、安川電機<6506>の第3四半期の決算発表に関心が向き、地合いを左右しそうだ。
■消費・外食関連と小型株に注目
物色的には、ファーストリテイリングの決算のほか、消費・外食関連の決算も注目される。昨年来高値更新中の吉野家ホールディングス<9861>は10日に第3四半期決算を発表する。予想を上回る販売の好調から年末年始にかけ、店舗によって「オリジナルチキン」が完売する可能性があることを日本KFC<9873>が発表するなど明るいニュースも伝えられている。このほか、27日にかけて日経ジャスダック平均とマザーズ指数が4日続伸している。IPOの初値形成には相場的な過熱感がみられたものの、1月はIPOの予定がないことから直近IPO銘柄を含めた小型株の循環物色が展開されそうだ。また、米2019年12月の雇用統計が1月10日に発表される。11日から13日にかけて3連休となることもあり、週後半は模様眺めムードが台頭しやすくなるだろう。
■大納会・大発会、米12月雇用統計など
年末から1月10日までの主な国内経済関連スケジュールは、30日に大納会(東京市場は31日から1月5日まで休場)、元旦に日米貿易協定と日米デジタル貿易協定が発効、6日に大発会、7日に12月マネタリーベース、8日に11月毎月勤労統計調査、9日にファーストリテイリング<9983>、安川電機<6506>、7&iHD<3382>など決算発表、12月国内ユニクロ売上推移速報、10日に11月景気先行・一致指数(CI)・速報値、11月全世帯家計調査・消費支出、良品計画<7453>、吉野家HD<9861>など決算発表が予定されている。一方、米国など海外の主要スケジュールは、元旦は米国・英国を始め主要国市場は休場、3日に米12月ISM製造業景況指数、FOMC議事録(12月10日・11日開催分)、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、米11月製造業新規受注、8日に米12月ADP雇用統計、10日に米12月雇用統計が予定されている。
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