*12:23JST 後場に注目すべき3つのポイント~引け後の植田総裁会見に注目
22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は4日続落、引け後の植田総裁会見に注目
・ドル・円は堅調、日銀の緩和維持で円売り
・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■日経平均は4日続落、引け後の植田総裁会見に注目
日経平均は4日続落。283.57円安の32287.46円(出来高概算7億4190万株)で前場の取引を終えている。
21日の米株式市場でダウ平均は370.46ドル安(-1.07%)、ナスダック総合指数は-1.82%とそれぞれ続落。タカ派な連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に加えて、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少し、長期金利が一段と上昇したことで終日売り優勢の展開だった。米株安を受けて日経平均は381.71円安からスタート。米10年債利回りが連日で高値を更新する一方、為替が円高に振れていたこともあり、ハイテクのほか直近強かったバリュー(割安)株にも利益確定売りが広がり、日経平均は寄り付き直後に32154.53円(416.5円安)まで下落。一方、昼頃に結果公表を控える日本銀行の金融政策決定会合を前にした様子見ムードや中国・香港株の上昇を背景にその後はもみ合いが続いた。
個別では、川崎汽船<9107>や郵船<9101>の海運、東京電力HD<9501>や北陸電力<9505>の電気・ガス、大阪製鐵<5449>や大同特殊鋼<5471>の鉄鋼、大紀アルミ<5702>や住友電工<5802>の非鉄金属など、バリューセクターが大きく下落。丸紅<8002>、三菱商事<8058>の商社、五洋建設<1893>、大林組<1802>の建設、三菱自<7211>、エフ・シー・シー<7296>の輸送用機器なども下落。東エレク<8035>やソニーG<6758>、ファナック<6954>、イビデン<4062>などハイテクの一角も安い。
一方、JAL<9201>、ANA<9202>の空運、ニコン<7731>、HOYA<7741>などの精密機器が堅調で、三井不動産<8801>、東京建物<8804>の不動産はしっかり。レーザーテック<6920>、ニデック<6594>、村田製<6981>、OLC<4661>、メルカリ<4385>、ANYCOLOR<5032>などのハイテク・グロース(成長)株の一角は上昇。スタジオジブリの子会社化を発表した日テレHD<9404>が急伸し、日本テレビが大株主にいるビーグリー<3981>はジブリとの連携強化に対する思惑が先行して大幅高。ほか、業績予想を上方修正したネクシィーズG<4346>、5社共同で新規IPプロジェクトの製作委員会を立ち上げるとしたピアラ<7044>、国内証券が目標株価を引き上げたデサント<8114>、増配が好感されたBEENOS<3328>などが大幅に上昇。大幅増配や自社株買いを発表したSANKYO<6417>はストップ高買い気配のまま終えている。
セクターでは海運、電気・ガス、鉄鋼が下落率上位に並んでいる一方、空運、精密機器、鉱業のみが上昇している。東証プライム市場の値下がり銘柄が全体の65%、対して値上がり銘柄は32%となっている。
米10年債利回りは21日、4.49%(20日は4.41%)へと連日で上昇し、2007年11月以来の高値を更新した。これを受け、国内外の株式市場でハイテク・グロース(成長)株の売りが継続している。金利の上昇にどこで歯止めがかかるか不透明ななか、当面はハイテク・グロース株の戻りは鈍いと考えられる。長期目線以外では押し目買いには慎重に臨んだ方がよいだろう。
本日の昼頃には日本銀行の金融政策決定会合の結果が公表される。前回会合でイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の微調整を行ったばかりであるため、さすがに今回は政策の現状維持が大方の予想とされている。しかし、9日に読売新聞が報じた植田日銀総裁へのインタビューを契機にマイナス金利政策の解除など追加の政策修正観測が高まっている。15日には総裁の発言と市場の解釈の間にはギャップがあるとする内容の報道もあったが、日本の長期金利も高値を更新するなか、こうした思惑はくすぶっている。
こうしたなか、注目されるのは植田総裁の会見だ。踏み込んだ発言がなく無難に終われば、あく抜け感から円安・株高が進みそうだが、マイナス金利解除を示唆する発言などがあれば、投機筋の円買い戻しに伴い円高が進む可能性もある。その場合、本日の前場のように、これまで値持ちの良かった景気敏感・バリュー株の利食い売りが続くと考えられ、物色としては手掛かり難に追い込まれかねない。足元で軟化してきている株式市場がここで持ち堪えるのか、それとももう一段の調整を迎えるのか、方向性を見極めるにあたって本日の植田総裁の会見は注目材料となろう。
後場の日経平均は上値の重い展開が続きそうだ。植田総裁の会見は引け後になるため、昼頃に現状維持の結果が伝わっても、会見内容を見極めたいとの思惑から買い戻しは限定的になりそうだ。
■ドル・円は堅調、日銀の緩和維持で円売り
22日午前の東京市場でドル・円は堅調地合いとなり、147円51銭から148円16銭まで値を上げた。日銀は21-22日の金融政策決定会合で現行の緩和的な政策を維持し、それを受けた円売りが主要通貨を押し上げた。米金利の高止まりでドル買いも継続した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は147円51銭から148円16銭、ユーロ・円は157円12銭から157円72銭、ユーロ・ドルは1.0641ドルから1.0663ドル。
■後場のチェック銘柄
・セカンドサイトアナリティカ<5028>、ピアラ<7044>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・8月貿易収支:-22.91億NZドル(7月:-11.77億NZドル←-11.07億NZドル)
【要人発言】
・日銀
「必要ならちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、十分注視する必要」
「予想物価上昇率、再び上昇の動き」
「景気は緩やかに回復」
・岸田首相
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に動くことが重要」
「為替市場の動向は緊張感を持って注視」
「過度な変動にはあらゆる選択肢を排除せず適切に対応」
「当局は国際的に緊密なコミュニケーションをとり、認識を共有」
・鈴木財務相
「足元の為替水準にはコメントしない」
「経済対策、来月中の取りまとめを目指し与党とも連携」
「長期金利、経済財政の状況、海外市場の動向など様々な要因で決まる」
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・15:30 植田日銀総裁会見
<海外>
・15:00 英・8月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.5%、7月:-1.2%)
・16:30 独・9月製造業PMI速報値(予想:39.5、8月:39.1)
・16:30 独・9月サービス業PMI速報値(予想:47.1、8月:47.3)
<CS>
・日経平均は4日続落、引け後の植田総裁会見に注目
・ドル・円は堅調、日銀の緩和維持で円売り
・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■日経平均は4日続落、引け後の植田総裁会見に注目
日経平均は4日続落。283.57円安の32287.46円(出来高概算7億4190万株)で前場の取引を終えている。
21日の米株式市場でダウ平均は370.46ドル安(-1.07%)、ナスダック総合指数は-1.82%とそれぞれ続落。タカ派な連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に加えて、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少し、長期金利が一段と上昇したことで終日売り優勢の展開だった。米株安を受けて日経平均は381.71円安からスタート。米10年債利回りが連日で高値を更新する一方、為替が円高に振れていたこともあり、ハイテクのほか直近強かったバリュー(割安)株にも利益確定売りが広がり、日経平均は寄り付き直後に32154.53円(416.5円安)まで下落。一方、昼頃に結果公表を控える日本銀行の金融政策決定会合を前にした様子見ムードや中国・香港株の上昇を背景にその後はもみ合いが続いた。
個別では、川崎汽船<9107>や郵船<9101>の海運、東京電力HD<9501>や北陸電力<9505>の電気・ガス、大阪製鐵<5449>や大同特殊鋼<5471>の鉄鋼、大紀アルミ<5702>や住友電工<5802>の非鉄金属など、バリューセクターが大きく下落。丸紅<8002>、三菱商事<8058>の商社、五洋建設<1893>、大林組<1802>の建設、三菱自<7211>、エフ・シー・シー<7296>の輸送用機器なども下落。東エレク<8035>やソニーG<6758>、ファナック<6954>、イビデン<4062>などハイテクの一角も安い。
一方、JAL<9201>、ANA<9202>の空運、ニコン<7731>、HOYA<7741>などの精密機器が堅調で、三井不動産<8801>、東京建物<8804>の不動産はしっかり。レーザーテック<6920>、ニデック<6594>、村田製<6981>、OLC<4661>、メルカリ<4385>、ANYCOLOR<5032>などのハイテク・グロース(成長)株の一角は上昇。スタジオジブリの子会社化を発表した日テレHD<9404>が急伸し、日本テレビが大株主にいるビーグリー<3981>はジブリとの連携強化に対する思惑が先行して大幅高。ほか、業績予想を上方修正したネクシィーズG<4346>、5社共同で新規IPプロジェクトの製作委員会を立ち上げるとしたピアラ<7044>、国内証券が目標株価を引き上げたデサント<8114>、増配が好感されたBEENOS<3328>などが大幅に上昇。大幅増配や自社株買いを発表したSANKYO<6417>はストップ高買い気配のまま終えている。
セクターでは海運、電気・ガス、鉄鋼が下落率上位に並んでいる一方、空運、精密機器、鉱業のみが上昇している。東証プライム市場の値下がり銘柄が全体の65%、対して値上がり銘柄は32%となっている。
米10年債利回りは21日、4.49%(20日は4.41%)へと連日で上昇し、2007年11月以来の高値を更新した。これを受け、国内外の株式市場でハイテク・グロース(成長)株の売りが継続している。金利の上昇にどこで歯止めがかかるか不透明ななか、当面はハイテク・グロース株の戻りは鈍いと考えられる。長期目線以外では押し目買いには慎重に臨んだ方がよいだろう。
本日の昼頃には日本銀行の金融政策決定会合の結果が公表される。前回会合でイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の微調整を行ったばかりであるため、さすがに今回は政策の現状維持が大方の予想とされている。しかし、9日に読売新聞が報じた植田日銀総裁へのインタビューを契機にマイナス金利政策の解除など追加の政策修正観測が高まっている。15日には総裁の発言と市場の解釈の間にはギャップがあるとする内容の報道もあったが、日本の長期金利も高値を更新するなか、こうした思惑はくすぶっている。
こうしたなか、注目されるのは植田総裁の会見だ。踏み込んだ発言がなく無難に終われば、あく抜け感から円安・株高が進みそうだが、マイナス金利解除を示唆する発言などがあれば、投機筋の円買い戻しに伴い円高が進む可能性もある。その場合、本日の前場のように、これまで値持ちの良かった景気敏感・バリュー株の利食い売りが続くと考えられ、物色としては手掛かり難に追い込まれかねない。足元で軟化してきている株式市場がここで持ち堪えるのか、それとももう一段の調整を迎えるのか、方向性を見極めるにあたって本日の植田総裁の会見は注目材料となろう。
後場の日経平均は上値の重い展開が続きそうだ。植田総裁の会見は引け後になるため、昼頃に現状維持の結果が伝わっても、会見内容を見極めたいとの思惑から買い戻しは限定的になりそうだ。
■ドル・円は堅調、日銀の緩和維持で円売り
22日午前の東京市場でドル・円は堅調地合いとなり、147円51銭から148円16銭まで値を上げた。日銀は21-22日の金融政策決定会合で現行の緩和的な政策を維持し、それを受けた円売りが主要通貨を押し上げた。米金利の高止まりでドル買いも継続した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は147円51銭から148円16銭、ユーロ・円は157円12銭から157円72銭、ユーロ・ドルは1.0641ドルから1.0663ドル。
■後場のチェック銘柄
・セカンドサイトアナリティカ<5028>、ピアラ<7044>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・8月貿易収支:-22.91億NZドル(7月:-11.77億NZドル←-11.07億NZドル)
【要人発言】
・日銀
「必要ならちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、十分注視する必要」
「予想物価上昇率、再び上昇の動き」
「景気は緩やかに回復」
・岸田首相
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に動くことが重要」
「為替市場の動向は緊張感を持って注視」
「過度な変動にはあらゆる選択肢を排除せず適切に対応」
「当局は国際的に緊密なコミュニケーションをとり、認識を共有」
・鈴木財務相
「足元の為替水準にはコメントしない」
「経済対策、来月中の取りまとめを目指し与党とも連携」
「長期金利、経済財政の状況、海外市場の動向など様々な要因で決まる」
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・15:30 植田日銀総裁会見
<海外>
・15:00 英・8月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.5%、7月:-1.2%)
・16:30 独・9月製造業PMI速報値(予想:39.5、8月:39.1)
・16:30 独・9月サービス業PMI速報値(予想:47.1、8月:47.3)
<CS>
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