環境省が2019年に発表した悪臭防止法施行状況調査の結果によると、国内において2015年から2017年の間、年間1万件以上の悪臭に係る苦情が発生しています。特に畜産業の臭気は畜産地の近隣まで宅地開発が進むことで生活区域との距離が縮まっていること、生活時間帯にも臭気が発生すること、風向きにより想定以上の臭気が生活環境下に漂うことなどから大きな環境問題となっており、その問題が年々拡大し畜産業振興の阻害要因にもなっています。
キヤノンMJは、このような悪臭問題の改善のため、高い脱臭力を持つ次亜塩素酸水溶液を利用した脱臭システムを開発しました。炭酸ガスの使用量を調整しPH(ペーハー)をコントロールすることにより次亜塩素酸水溶液の効果を最大限に生かしているほか、炭酸ガスを混合する次亜塩素酸水溶液を使用することで塩素ガスの発生リスクをなくし高い安全性を実現しています。さらに、排水量を可能な限り少なくし、かつ、次亜塩素酸水溶液を使用して段階的にシャワー、噴霧を行うことで臭気を効果的に吸収・分解することが可能です。また、次亜塩素酸ナトリウムや炭酸ガスなどの汎用品を利用することで特殊薬液を使う脱臭装置などに比べて安いランニングコストで運用できます。
キヤノンMJは、次亜塩素酸水溶液脱臭システムを堆肥化コンポ※用の脱臭装置として展開していきます。今後は次亜塩素酸水溶液が持つ脱臭力、除菌力、安全性を生かし、食品・医療・介護など幅広い業界へ展開を拡大していきます。
※ 食品廃棄物や家畜のふん尿を堆肥化する装置。断熱された円筒形の発酵槽にふん尿を投入し、内部の撹拌羽根と通気により堆肥化する。
● 次亜塩素酸水溶液脱臭システムホームページ:https://cweb.canon.jp/indtech/es/lineup/haws/
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