東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、非鉄金属、倉庫運輸、卸売、その他金融など23業種が上昇。一方、石油石炭、鉱業、建設、食料品など10業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>が堅調。半面、資生堂<4911>、アサヒ<2502>、KDDI<9433>、バンナムHD<7832>、ネクソン<3659>が軟化した。
中国政府当局がこの日、不動産分野のM&Aについて、3つのレッドラインと呼ばれる不動産部門の負債比率規制を緩和するよう求めたと伝わったことで、中国リスクを後退させる要因になったようだ。ただ、午後に入ると、明日のオプションのSQに伴う持ち高調整の売り買いやMSCI指数の定期銘柄入れ替えの発表を12日早朝に控えて次第に模様眺めムードが広がった。こうしたなか、親会社によるTOBが判明したトッパンF<7862>がストップ高まで買われたほか、大平金<5541>、昭和電工<4004>など好決算銘柄には引き続き資金が流入していた。
中国恒大のデフォルト懸念がひとまず後退しているが、関係者からは「恒大集団の社債を保有するドイツのDMSAは期限内に利払いを受けておらず、目先は余談を許さない状況が続く」との指摘が聞かれた。このため、外国人投資家の動きも鈍いだけに、足元で上値抵抗線として意識されている5日線(29357円)水準を早期に突破できるかが目先の焦点となりそうだ。
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