今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が-1.48%だったのに対して、グロース市場指数は+0.08%、グロース市場250指数は+0.27%と新興市場の底堅さがやや目立った。米国による自動車に対する追加関税や配当落ちなどの影響をさほど受けず、プライム市場比ではしっかりとした推移となった。
時価総額上位銘柄では、BuySell Technologies<7685>が引き続き反発したものの、GENDA<9166>は戻り一服。証券会社のレポートが材料視されて買われたタイミー<215A>も買い一巡後は「往って来い」となるなど、主力株に買いが広がらなかった一方、売り圧力も強まらなかった。このほか、リリースを材料にセルシード<7776>がストップ高を連発するなど上昇。サンバイオ<4592>も上昇するなどバイオ関連銘柄の上昇が引き続き目立った。
今週のIPOはグロース市場に6社上場。24日に上場したミライロ<335A>の初値は、25日に持ち越しとなり、公開価格の約2.4倍となる661円となった。25日に上場したビジュアル・プロセッシング・ジャパン<334A>の初値は、公開価格の約2.1倍となる3040円。27日に上場したダイナミックマッププラットフォーム <336A>の初値は、公開価格を27.5%上回る1530円となった。28日に上場したプログレス・テクノロジーズ グループ<339A>の初値は、公開価格を1.5%上回る1980円、同日上場したトヨコー<341A>の初値は、公開価格を19.3%上回る871円。同じく、28日に上場したZenmuTech<338A>の初値は、公開価格の約3.2倍となる5000円となった。
■バイオ関連銘柄やIPO銘柄への短期資金中心の売買か
来週は、新年度相場入りとなるが、4月2日の米追加関税発動に加え、その後の実経済に対する影響への警戒感が強いことから、引き続き不透明感先行で積極的な買いは期待できないと考える。内需中心の新興市場は、プライム市場より相対的にしっかりしそうだが、グロース市場の主要指数がぐいぐい上昇するような雰囲気は感じられない。グロース市場250指数は、上げ幅を縮小するケースが多く、チャート形状も上影(上ヒゲ)が多い。本腰を入れて買いを入れる投資家は不在な様子だ。トライアルHD<141A>やインテグラル<5842>など時価総額が大きい主力株より、今週動意づいていたセルシードや、ケイファーマ<4896>などバイオ関連銘柄や、今週上場したIPO銘柄への短期資金中心の売買となりそうだ。
来週のIPOは、31日の海外カスタマー向け購入支援サービスを提供するジグザグ<340A>のみとなる。今週、公募価格に対して2-3倍の初値を付ける銘柄が相次いだこともあり、IPOに対する関心は非常に高まっている。ただ、ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは初値形成後、既に半値まで急落しており足は速い。初値でエントリーした投資家のグリップが弱まっていることから、初値形成後の値崩れには警戒したい。
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