3. 財務状況
2023年3月期末の財務状況は次のとおりである。流動資産は25,111百万円(前期末比926百万円増)となった。主要科目では現金及び預金909百万円増、受取手形及び売掛金123百万円増、たな卸資産323百万円減などの要因があった。固定資産は12,260百万円(同662百万円増)となった。内訳は有形固定資産5,328百万円(同488百万円増)、無形固定資産597百万円(同11百万円減)、投資その他の資産6,334百万円(同185百万円増)となった。この結果、資産合計は37,371百万円(同1,587百万円増)となった。
流動負債は8,067百万円(同900百万円増)となった。主な変動は支払手形及び買掛金の増加117百万円、短期借入金の減少123百万円であった。固定負債は1,099百万円(同71百万円減)となった。この結果、負債合計は9,167百万円(同830百万円増)となった。純資産は28,204百万円(同758百万円増)となったが、主にその他有価証券評価差額金の増加60百万円、為替換算調整勘定の増加410百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加164百万円による。業績が回復したことでキャッシュ・フローが改善し、現金及び預金が増加した。
4. キャッシュ・フローの状況
2023年3月期のキャッシュ・フローは次のとおりである。営業活動によるキャッシュ・フローは2,608百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上907百万円、減価償却費及びその他の償却費894百万円、減損損失434百万円、たな卸資産の減少471百万円となった。主な支出は、為替差益51百万円、売上債権の増加77百万円となった。投資活動によるキャッシュ・フローは1,776百万円の支出となった。主な支出は定期預金の預入165百万円、有形固定資産の取得1,618百万円、無形固定資産の取得136百万円となった。財務活動によるキャッシュ・フローは487百万円の支出となった。主に借入金の返済による支出148百万円、配当金支払いによる支出305百万円による。この結果、期中の現金及び現金同等物は581百万円増加し、期末残高は10,408百万円となった。
業界最多の「眼鏡作製技能士」746名を有する
5. 主なトピックス
(1) 主要子会社の社長交代
2023年4月1日付で、恒吉氏がパリミキの社長に就任した。金鳳堂の改善に大きく貢献した同氏が、今後は国内主要子会社であるパリミキをけん引する。それまでパリミキの社長を兼務していた澤田氏は持株会社の社長職に専念する。
(2) 眼鏡作製技能士
国家検定資格である「眼鏡作製技能士」を有する社員が746名(2023年3月末)となった。同社によると業界最多である。この資格所有者は全国で約6,000名いる。同社は2025年3月期末には1,200名を目指している。
(3) 金鳳堂の営業利益が過去最高を更新
主要子会社である金鳳堂の業績も急回復し、営業利益は同社グループ入り後の最高益を更新した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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