セクターでは、ゴム製品、化学、ガラス・土石製品、水産・農林業、輸送用機器が上昇。一方で、鉱業、パルプ・紙、鉄鋼、海運業、石油・石炭製品はさえない。指数インパクトの大きいところでは、資生堂<4911>や東京エレクトロン<8035>が2銘柄で日経平均を約27円分押し上げた。資生堂は、日本政府観光局(JNTO)が前日に発表した7月訪日外国人客数(推計値)が過去最高(単月)を更新したことで、インバウンド需要の拡大期待から関心が向かったようだ。売買代金上位では、日経平均採用期待の買いが続くZOZO<3092>が3.6%高になり、米同業キーサイトテクノロジーの好決算を受けたアンリツ<6754>や、国内証券による目標株価引き上げ観測の伝わったリクルートHD<6098>などのほか、KLab<3656>、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>、SCREEN<7735>、村田製作所<6981>、スズキ<7269>が上昇。一方、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、キーエンス<6861>などはさえない。
前日の米国市場で発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、海外市場は大きな変動をみせていないこともあり、本日の東京市場はひとまず米国株高を素直に好感する流れとなった。しかし、朝方の買い一巡後は、23日のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長講演の内容を見極めたいとのムードが根強く、為替市場でもドル高・円安が一服しており、全般様子見ムードが強まっている。
トランプ大統領が、対中制裁関税「第4弾」を課す計画を発表し、8月半ばにかけての日本株の調整局面となったが、この時期からの日経平均の価格帯別売買高における商いが集中しているレンジは20500円に位置しており、週初から概ねこの水準を終値ベースでキープしながら推移している点は、ひとまず安心感であろう。一方、東証株価指数(TOPIX)の同レンジは1500ptに位置しており、前述したイベントを前にこの水準を突破するシナリオは考えにくいだろう。また、前引け時点の東証1部の値上がり数は全体の45%に留まっており、物色の広がりにも期待しにくい。後場にかけても、レーティング観測銘柄やインバウンド関連株への見直しのほか、信用売りが溜まっていた銘柄に対するカバーの動きがメインとなってくるだろう。
(雲宮 祥士)
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