■新日本科学 <2395> 1,592円 (+300円、+23.2%) ストップ高
東証1部の上昇率トップ。新日本科学 <2395> がストップ高。2日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を174億円から179億円(前期比18.5%増)へ、営業利益を38億円から41億円(同62.1%増)へ、純利益を49億円から58億円(同58.4%増)へ上方修正し、あわせて20円を予定していた期末一括配当予想を40円へ引き上げたことが好感された。コロナ禍による医薬品開発のアウトソーシングトレンドの加速化に加えて、抗体医薬や核酸医薬などの活発な開発競争が世界的に継続していることを背景に、主力事業である前臨床事業の受注が好調に推移していることが要因。また、同社の強みである大型実験動物試験の需要が拡大傾向にあり、既存顧客の受注増に加えて国内外の新規顧客の獲得が順調に推移していることも寄与する。同時に発表した第3四半期累計(21年4-12月)決算は、売上高129億4600万円(前年同期比24.2%増)、営業利益33億円(同2.0倍)、純利益52億4700万円(同3.6倍)だった。
■サンユウ <5697> 620円 (+100円、+19.2%) ストップ高
みがき棒鋼大手のサンユウ <5697> [東証2]がストップ高。同社は2日取引終了後に、22年3月期通期の連結営業利益予想を前期比6.4倍の9億4000万円(従来予想は6億6000万円)に上方修正。また、期末一括配当を従来計画比9円増額の29円(前期は6円)とする方針も示しており、これらが好感されたようだ。売上高予想は同22.5%増の210億円で、従来見通しを据え置いた。主要顧客である自動車業界の生産活動は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により半導体や東南アジアからの部品調達に支障が生じていることで一部遅延しているものの、販売数量の確保や材料価格値上げの販売価格への転嫁、製造コストの削減に努めていることが寄与するとしている。
■ウエストHD <1407> 4,400円 (+700円、+18.9%) ストップ高
ウエストホールディングス <1407> [JQ]がストップ高。同社は太陽光発電の設置工事や保守・管理などを手掛け、マーケットでは脱炭素関連の象徴株として人気を集めた経緯がある。今年に入って株価は、高い成長期待を背景にこれまで買われてきた反動から大きく売られたものの、短期的に大幅下落したことで足もと売り一巡感からリバウンドを試すタイミングに来ていた。こうしたなか同社は2日、東京電力ホールディングス <9501> と中部電力 <9502> が共同出資する発電会社JERAとの間で、国内の太陽光発電開発に関して業務提携を行うと発表。これを手掛かり材料に前日2日大幅高に買われたのに続き、3日は物色が加速しストップ高となった。
■メンバーズ <2130> 2,674円 (+415円、+18.4%)
東証1部の上昇率2位。メンバーズ <2130> が4連騰。同社は大企業向けにデジタルマーケティング支援を行うほか、デジタル人材の派遣事業を展開し、業績は急成長トレンドにある。2日取引終了後に発表した22年3月期第3四半期(21年4-12月)決算は、営業利益が前年同期比76%増の9億9200万円と急拡大しており、これを評価する買いが集中した。デジタルマーケティング関連の売上高が引き続き好調で収益に貢献している。
■アスクル <2678> 1,625円 (+100円、+6.6%)
東証1部の上昇率7位。アスクル <2678> が5日続急伸。2日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を500万株(発行済み株数の4.88%)、または100億円としており、取得期間は2月4日から5月13日まで。なお、これにより取得する自社株は全株を5月16日付で消却する。資本効率を高めるほか、株主還元を目的に自社株の取得及び消却を実施するとしている。また、新市場区分における「プライム市場」上場維持基準である流通株式比率(35%以上)の低下を回避するために、主要株主であるZホールディングス <4689> の保有するアスクル株の一部売却にも対応する。
■デクセリ <4980> 3,435円 (+175円、+5.4%)
東証1部の上昇率10位。デクセリアルズ <4980> が5日続急伸。同社は2日取引終了後、22年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比2.3倍の193億円に急拡大したと発表。併せて、通期の同利益を従来予想の198億円→224億円(前期は108億円)に13.1%上方修正し、増益率も82.6%増→2.1倍に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが好感されたようだ。
■豊田通商 <8015> 4,975円 (+250円、+5.3%)
豊田通商 <8015> が続急伸。同社は2日取引終了後、22年3月期連結純利益予想を1900億円から2100億円(前期比56.0%増)へ、年間配当予想を140円から150円(前期は112円)へ上方修正すると発表した。市況上昇や、自動車生産関連及び自動車販売ビジネスが好調であることなどによって、足もとの実績が想定よりも堅調に推移しているため。あわせて発表した22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結純利益は1802億7100万円(前年同期比2.0倍)だった。
■三菱食品 <7451> 2,990円 (+147円、+5.2%)
三菱食品 <7451> が続急伸。同社は2日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高は2兆300億円から2兆円へ下方修正する一方で、営業利益は167億円から187億円(前期比19.7%増)へ、純利益は117億円から135億円(同21.9%増)へ、年間配当予想は70円から80円(前期は50円)へ上方修正すると発表した。売上高については「収益認識に関する会計基準」適用のため、前年との比較は記載されていない。22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結営業利益は147億5900万円(前年同期比24.4%増)だった。着実に進めてきた物流効率化施策に加え、コロナ禍に起因する物量波動の抑制に伴う物流コストの削減や、モバイルワーク浸透による販管費削減などが寄与し、利益面では当初の予想を上回る見込みになったとしている。
■双日 <2768> 1,917円 (+90円、+4.9%)
双日 <2768> が大幅続伸、前日2日に続く大陽線で1900円台を回復。早晩2000円大台乗せから昨年来高値2032円も視界に入る可能性がある。総合商社の一角で自動車や化学分野で強みを持っている。2日の取引時間中に、22年3月期業績予想の修正を発表、資源価格の上昇などを追い風に最終利益は従来計画に100億円上乗せした800億円(前期比3倍)となる見通し。特筆されるのは今期の年間配当で、従来計画の54円から13円増額し67円に大幅に引き上げた。配当利回りは5.4%前後と極めて高水準だ。また、同社は昨年ベトナムの乳製品大手ビナミルクと提携し販売会社を設立しているが、「今後は川上の事業としてベトナム国内で高品質の肉牛生産に乗り出す方針」(会社側)としており、株価面でもポジティブ材料として注目されそうだ。
■日触媒 <4114> 5,690円 (+260円、+4.8%)
日本触媒 <4114> が大幅続伸。同社は3日午前11時に、22年3月期連結業績予想について、売上高を3550億円から3650億円(前期比33.6%増)へ、営業利益を240億円から270億円(前期は159億2100万円の赤字)へ、純利益を205億円から215億円(同108億9900万円の赤字)へ、年間配当予想を130円から180円(前期は90円)へ上方修正すると発表した。22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結営業利益は238億8900万円(前年同期は14億8500万円の赤字)だった。アクリル酸及びアクリル酸エステルの製品海外市況の高騰が継続し、想定よりも原料価格が上昇していることで在庫評価差額の影響が拡大する見通しであるため、業績予想を上方修正するとした。
■日清食HD <2897> 8,350円 (+360円、+4.5%)
日清食品ホールディングス <2897> が4日ぶり大幅反発。同社は3日午後1時15分に、資本効率向上のため、187万5000株(発行済み株式総数に対する割合1.82%)もしくは120億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は2月4日~9月30日。また、自己株式147万7700株(同1.39%)を2月28日に消却することも発表した。22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結営業利益は425億8800万円(前年同期比14.8%減)となり、レンジで示された通期計画425億円(前期比23.5%減)~445億円(同19.9%減)は据え置かれた。第3四半期(10-12月)は国内事業に加え、海外事業も増益に転じたとし、コロナ禍前の19年度との比較では引き続き高成長を維持しているとした。
■シンフォニア <6507> 1,272円 (+51円、+4.2%)
シンフォニア テクノロジー <6507> が大幅続伸。同社は3日午後1時40分に、22年3月期連結業績予想について、売上高を940億円から965億円(前期比10.5%増)へ、営業利益を59億円から69億円(同41.1%増)へ、純利益を40億円から48億円(同30.5%増)へ、年間配当予想を35円から45円(前期は35円)へ上方修正すると発表した。22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結営業利益は31億7800万円(前年同期比2.2倍)だった。 半導体製造装置向け機器と振動機器の需要が好調に推移したこと、販売費及び一般管理費が減少したことを理由に、通期見通しを上方修正するとした。
■スカパーJ <9412> 449円 (+16円、+3.7%)
スカパーJSATホールディングス <9412> が大幅続伸。2日の取引終了後に発表した22年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結決算で、最終利益が前年同期比12.1%増の126億5300万円となり、これが好材料視された。メディア事業でCS放送「スカパー!」の有料会員数が減少する一方、宇宙事業は通信衛星「Horizons 3e」の収益が増加するなど好調だった。また、減価償却費の減少に加え、連結子会社の清算に伴い税金費用が減少したことも最終増益に貢献した。据え置いた通期計画(130億円)に対する進捗率は97%と高水準で上振れが期待される。
■特殊陶 <5334> 2,198円 (+77円、+3.6%)
日本特殊陶業 <5334> が大幅高で5日続伸。自動車向けプラグや半導体製造装置用部品などを手掛けるが、足もとの業績は絶好調に推移している。半導体関連は世界的な半導体メーカーの設備投資需要拡大が追い風となっているほか、自動車向けプラグについては、サプライチェーン問題による世界の自動車生産減少も中古車市場の活況がプラグ交換需要を急増させている。22年3月期最終利益は従来予想の488億円から600億円(前期比56%増)に大幅増額しており、上限100億円の自社株買い発表なども買い安心感につながったようだ。
■ネットワン <7518> 2,821円 (+97円、+3.6%)
ネットワンシステムズ <7518> が大幅高で5日続伸。同社は2日取引終了後、22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結営業利益は82億6100万円(前年同期比30.1%減)と発表した。通期計画220億円(前期比11.8%増)に対する進捗率は37.6%。朝方は売りが先行したものの、株価は昨秋から下落基調となっていたため、寄り付きの売りが一巡した後は悪材料出つくしとみる投資家の買いで切り返した。事業は継続して好調であり、第3四半期累計で過去最高の受注高・受注残高とした。半導体不足による機器仕入れ納期の長期化が続いているが、第3四半期(10-12月)から機器在庫確保の対策が寄与し始めており、業績への影響を見極め中であるとした。
■太平洋工 <7250> 1,114円 (+32円、+3.0%)
太平洋工業 <7250> が大幅続伸。2日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1640億円から1610億円(前期比7.0%増)へ、営業利益を105億円から100億円(同11.4%増)へ下方修正したが、想定内との見方が強い。主要顧客が部材不足に伴い生産計画を見直していることが要因としている。なお、純利益は90億円(同12.8%増)の従来予想を据え置いた。同時に発表した第3四半期累計(21年4-12月)決算は、売上高1200億4800万円(前年同期比11.1%増)、営業利益77億8400万円(同56.8%増)、純利益74億100万円(同73.4%増)だった。
■宇部興 <4208> 2,149円 (+60円、+2.9%)
宇部興産 <4208> が大幅続伸。同社は2日取引終了後、22年3月期第3四半期累計(4-12月)連結営業利益は328億4200万円(前年同期比2.4倍)と発表した。通期計画390億円(前期比50.6%増)に対する進捗率は84.2%。化学セグメントを中心に新型コロナウイルスによる需要減退からの回復を受けて、ナイロン・合成ゴムなど自動車関連製品の販売数量が増加。また、ナイロン・ラクタム・合成ゴムなどの販売価格が上昇した影響も大きかったとしている。
■NTT <9432> 3,338円 (+55円、+1.7%)
日本電信電話 <9432> が反発。株価は前日2日比2.6%高の3368円まで上値を伸ばし、2000年8月以来、約21年半ぶりの高値をつけた。不安定な相場環境が続くなか、強固な収益・財務基盤を持ち、株主還元面でも魅力のあるディフェンシブ株として買いが続いたようだ。3日は3日付の日本経済新聞朝刊で「NTTの2021年4-12月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年同期比約3%増の1兆5500億円前後になったことが分かった」と報じられたことが好材料視された。記事によると、在宅勤務の広がりでインターネットの光回線の契約が増えたほか、電子商取引(EC)の決済向けなど企業用のシステム開発も好調だったという。なお、4-12月期の決算発表は7日を予定している。
■野村不HD <3231> 2,761円 (+33円、+1.2%)
野村不動産ホールディングス <3231> が続伸。SMBC日興証券は2日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を3600円から3800円に引き上げた。国内分譲マンションや収益不動産開発・売却など主力事業は好調に推移している。東南アジアのマンション分譲はコロナによる工事・引き渡し遅延が発生したが、足もとは回復基調にある。新中期経営計画が始まる23年3月期以降、海外マンション事業の大幅な成長、国内分譲マンション、収益不動産の高水準の利益、仲介CRE(企業保有不動産)などフイービジネスの着実な成長が期待できる、とみている。
■丸紅 <8002> 1,218円 (+13.5円、+1.1%)
丸紅 <8002> が続伸。3日午前11時ごろ、22年3月期業績予想の修正を発表、最終利益を従来予想の3500億円から4000億円(前期比79.2%増)に増額しており、これを好感する形で投資資金を呼び込んだ。また、株主還元にも前向きな姿勢を示し、今期年間配当を従来計画の51円から58円に上方修正(前期実績は33円)しており、これも評価材料となった。株価は1月17日に1209円50銭の昨年来高値をつけていたが、3日は一時1262円まで上値を伸ばし約2週間ぶりに新値街道に復帰した。
※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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