日経平均は大幅反発、米中貿易摩擦の緩和などを材料視
22日の米国株式市場は反発。ダウ平均は1016.57ドル高の39186.98ドル、ナスダックは429.52ポイント高の16300.42で取引を終了した。前日の大幅下落の反動で買われ、寄り付き後、上昇。国債相場も持ち直したため安心感がひろがり上昇した。その後、ベッセント財務長官が対中貿易で、現状維持が持続可能だとは誰も考えておらず、いずれ合意にいたるとの考えを示したとの報道や、政府報道官が各国との協議が順調に進んでいるとの発言で、貿易交渉の進展期待が広がり、買い戻しが加速し大幅上昇。
米国株の反発や、トランプ大統領が「米連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任する意図は持っていない」との発言を受けた為替の円高進行一服などを材料に、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は前日終値を大幅に上回ってスタートし、一時35000円台を回復した。買い一巡後は、上げ幅を縮小するなど上値の重さが意識されたが、プライム市場の8割強が上昇する全面高の展開となった。
日経平均採用銘柄では、米製薬大手からバイオ医薬品の生産を受託したことが好感されて、富士フイルム<4901>が大幅高となったほか、曲がる太陽電池ペロブスカイトの保護膜生産を26年度から開始と報じられたコニカミノルタ<4902>も急騰した。また、証券会社のポジティブなレポートを材料にトヨタ自<7203>も買われた。
このほか、安川電機<6506>、日野自動車<7205>、太陽誘電<6976>、資生堂<4911>、ニデック<6594>、IHI<7013>、第一生命HD<8750>など幅広い銘柄が買われた。
一方、円高進行が一服したことでニトリHD<9843>、サッポロHD<2501>など円高メリット銘柄の一角が売られたほか、21日まで6連騰していた中外薬品<4519>は本日も売りに押された。また、ディー・エヌ・エー<2432>、コナミグループ<9766>、東宝<
9602>などエンタメ系もさえない。このほか、ディスコ<6146>、スクリーンHD<7735>、NEC<6701>などが売られた。
全業種が上昇するなか、保険、輸送用機器、ゴム製品、電気機器、精密機器の上げが目立った。
プライム市場の売買代金は久しぶりに2兆円台に乗せているが、日経平均の上値は重く積極的な買いは引き続き手控えられている様子。日米財務相会合でのベッセント財務長官の姿勢を見極めたいとするムードは強い。朝方に1ドル143円台に乗せた為替は、既に141円台に入っており、為替市場は引き続き神経質な展開となっている。後場の日経平均は、為替を横目に上げ幅をじりじりと縮める可能性もあろう。
<AK>
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