東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1000に迫り、全体の6割を占めた。セクター別では、銀行、電気ガス、輸送用機器、海運、鉄鋼など21業種が上昇。一方、精密機器、その他製品、化学、サービスなど12業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、トヨタ<7203>、コナミG<9766>、オリンパス<7733>、アドバンテス<6857>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、信越化<4063>が軟調だった。
前日の米国市場は、複数の地区連銀総裁から利下げに慎重な発言が相次ぎ、早期の利下げ観測が遠のいたことが響いたほか、日本時間の早朝に2024年2-4月期の決算を発表した半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズの決算を受けて、同社株が時間外で下落していることも投資マインドを萎縮させた。一方、日銀が国債買い入れオペのオファー額を据え置いたことで、早期の利上げへの思惑が後退し、短期筋による先物への買い戻しが入り、日経平均は後場取引開始後には77円安まで値を戻した。
国内では企業決算の発表が一巡し、新たな手掛かり材料に乏しいことも事実で、投資家の関心は再び米国の金利動向に向かうのではないかと見る向きが増えてきている。仮に米国の長期金利が4%を割り込むような場面になってくれば、米国のハイテク株高を刺激材料に東京市場も同様に買いが波及し、日経平均の押し上げにつながりそうだ。ただ、米国の金融当局では、利下げに関して見方が分かれており、引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)幹部の発言には注目が集まるだろう。
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