日経平均は続落、エヌビディア決算控え売買代金は2兆円を割り込む
21日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は66.22ドル高(+0.17%)の39872.99ドル、ナスダックは37.75ポイント高(+0.22%)の16832.63、S&P500は13.28ポイント高(+0.25%)の5321.41で取引を終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)高官が当分、政策金利を据え置く姿勢を繰り返したため、寄り付き後、下落。同時に、利上げの可能性は少ないとの見方や小売り決算を好感した買いに相場は上昇に転じた。ハイテクは長期金利の低下が支援したほか、半導体エヌビディア決算への期待に買われ、終盤にかけて相場は上げ幅を拡大し、ナスダックは過去最高値で終了。
米国株が上昇したものの、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が反落したことで、東京市場は売り優勢で取引を開始。値がさ半導体株が弱かったことから、日経平均は前日比マイナス圏での推移となった。明日未明にエヌビディア決算発表を控えていることから様子見ムードは強く、プライム市場の売買代金は2兆円を割り込んだ。
日経平均採用銘柄では、決算発表以降、下げ基調が続いている住友ファーマ<4506>が年初来安値を連日で更新したほか、信越化<4063>、東京エレクトロン<8035>など半導体関連の一角も弱い。このほか、荏原製作所<6361>、中外製薬<4519>、クボタ<
6326>、三菱商事<8058>が売られた。
一方、国内証券会社のポジティブなレポートが材料視されてニデック<6594>、神戸製鋼所<5406>が買われたほか、足元の金利上昇などが影響してふくおかフィナンシャルグループ<8354>、コンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>も上昇。
このほか、シャープ<6753>、ネクソン<3659>、三越伊勢丹<3099>が買われた。
業種別では、海運業、不動産業、電気・ガス業、鉱業、繊維製品などが下落した一方、証券・商品先物取引業、保険業、情報・通信業、その他金融業、倉庫・運輸関連業の5セクターのみ上昇した。
午前の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが、一時0.985%まで上昇(価格は下落)し、2013年5月以来11年ぶりの高水準をつけた。
前日の米長期金利が低下したものの、日本銀行が近く国債買い入れを減額するとの思惑が上昇圧力となっているもよう。株式市場では金利上昇に伴い地銀を中心に銀行株がやや買われている一方、不動産が弱い。今のところ、日経平均への影響は限定的と思われるが、為替が円高に振れる可能性はあることで注意したい。後場の東京市場は、明日のエヌビディア決算を前にしたポジション調整に留まり、日経平均、TOPIXともに小動きとなりそうだ。
<AK>
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