今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が-1.58%だったのに対して、グロース市場指数は-2.11%、グロース市場250指数は-2.32%とグロース市場の弱さがやや目立った。売買代金は5営業日連続で1000億円を割り込んでおり、18日の835億円は5月9日(798億円)以来の低水準となった。グロース市場250指数は6営業日連続で陰線を残すなど、プライム市場同様、投資家心理の低下などから買いが入らない状況が継続した。
時価総額上位銘柄では、タイミー<215A>が上場来安値を連日で更新するなど弱い動きが目立った。また、フリー<4478>も売り優勢となったほか、ティーケーピー<3479>は決算が嫌気されて、売り圧力が強まった。一方、16日まで6営業日続落していたGENDA<9166>がようやく反発したほか、GMOフィナンシャルゲート<4051>は週を通してしっかり。このほかの銘柄では、11日に上場したオルツ<260A>に短期資金が向かい急騰したが、週末は利益確定に押された。なお、スタンダード市場に日水コン<261A>とインターメスティック<262A>の2社が上場。日水コンの初値は公開価格を6.2%下回る1341円となったが、インターメスティックの初値は公開価格を25.0%上回る2038円となった。
■直近IPO銘柄に短期資金が向かうか
来週の新興市場は、引き続き売買低迷で主力株中心に弱い動きとなりそうだ。グロース市場250指数は、75日移動平均線から下方乖離しておりトレンドは弱い。セリングクライマックスのような大きな動きもなく、押し目も狙いにくい。売買代金が1000億円を割り込むような薄商いでは、主力株に腰の据わった資金が入らないことから、じり安の相場展開は続きそうだ。
来週は21日に札証アンビシャスに伸和ホールディングス<7118>、22日にグロースにSchoo<264A>、23日にプライムに東京地下鉄<9023>、25日にプライムにリガク・ホールディングス<268A>がそれぞれ上場する。市場では、公開規模3200億円、時価総額6400億円相当の東京地下鉄の上場に高い関心が向かっている。2018年のソフトバンク<9434>以来となる超大型IPOで、2015年に上場した日本郵政3社以来となる政府保有株式の売り出しということからも関心は高い。堅調な初値形成と初値形成後の動きが確認できれば、投資家心理が多少改善するかもしれない。
東京地下鉄の初値形成等が堅調であれば、市場は違うものの、グロース市場の直近IPO銘柄に短期資金が向かうと想定する。オルツは引き続き乱高下しそうだが、上場来高値更新中のグロースエクスパートナーズ<244A>は強い動きが期待できよう。一方、キッズスター<248A>のように上場来安値を更新している銘柄もリバウンドを狙いたいところだ。
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