週明け9日の米株式市場でNYダウは4日ぶりに反落し、105ドル安となった。前週末に堅調な雇用情勢を好感して大幅高となった反動で利益確定の売りが出た。また、翌日から始まる連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や、15日に期限を迎える対中追加関税の発動などを見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がった。円相場は1ドル=108円台半ばと前日からおおむね横ばい。本日の日経平均も米株安の流れを引き継いで58円安からスタートすると、小安い水準でもみ合う場面が続いたが、前引けにかけて一時プラス圏に浮上した。東証1部の値下がり銘柄は全体の4割強、対して値上がり銘柄は5割弱となっている。
個別では、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>、東エレク<
8035>、村田製<6981>などがさえない。ファーストリテ<9983>も小幅に下げた。次期トップ人事を巡る報道などが伝わった関西電力<9503>は3%近い下落。また、前日に決算発表したライクキッズ<6065>や決算発表予定を延期したコーセーRE<3246>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>が売買代金トップで2%超の上昇。本日は中国で家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発売が予定されている。全固体電池の開発を発表した太陽誘電<6976>は3%高。ソニー<6758>や武田薬<4502>も堅調だった。中小型株では一部証券会社の新規レーティング付与が観測された神戸物産<3038>が商いを伴って急伸。また、好決算の学情<2301>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、電気・ガス業、石油・石炭製品、パルプ・紙などが下落率上位。半面、その他製品、水産・農林業、繊維製品が上昇率上位だった。
前引けの日経平均は小幅安、一方で東証株価指数(TOPIX)は小幅高とまちまち。ここまでの東証1部売買代金は8600億円程度にとどまっている。米国ではFOMCや対中追加関税の発動期限が控えているうえ、欧州でも12日に英総選挙と欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されているため、これらの結果を見極めたいとの思惑が強まっているようだ。米中の貿易協議を巡っては、追加関税の発動先送りなどで決定的な対立を回避するとの期待が根強いが、トランプ流交渉の行方は見通しづらいところ。英総選挙も与党・保守党が単独過半数を確保し、欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感が払拭されることに期待する向きが多いものの、前回の結果などから最後まで警戒ムードは解けないだろう。
アジア株も総じて小動き。日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ実施も期待できず、後場の日経平均は底堅くも上値の重い展開となりそうだ。なお、新興市場ではマザーズ指数や日経ジャスダック平均が小幅に上昇。本日はテクノフレックス<3449>が東証2部に、ALiNK<7077>がマザーズにそれぞれ新規上場し、12月のIPO(新規株式公開)ラッシュが始まった。ALiNKは前引け時点で買い気配のまま初値が付いていないが、株式相場全体のこう着感から中小型材料株とともにIPO銘柄が個人投資家の物色を集めやすいだろう。
(小林大純)
<AK>
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